Easy Directシリーズ(RNA検出用)

ユーザー様実施例:牛ウイルス性下痢ウイルスの検出および牛血清におけるプール可能な検体数の検討

<データ1:牛ウイルス性下痢ウイルスの検出>

対象製品
Directタイプ:One Step Easy Direct RT-qPCR Kit (Non-treatment) (製品コード RC805A)
室温処理タイプ:One Step Easy Direct RT-qPCR Kit (Non-heat-treatment) (製品コード RC801A)
熱処理タイプ:One Step Easy Direct RT-qPCR Kit (Heat-treatment) Ver.2(製品コード RC807A)

目的:牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV:Bovine Viral Diarrhea Virus)を検出する。
検体種:BVDV1型(Nose株)ウイルス培養液
検出ターゲット・検出対象遺伝子
Bovine viral diarrheal virus  5′UTR(2種類のプライマー・プローブセットを使用)
 プライマー・プローブセットA:Hoffmann et al. (2006) *1
 プライマー・プローブセットB:Kishimoto et al. (2017) *2
使用した装置:QuantStudioシリーズ(Thermo Fisher Scientific社)

方法
ウイルス分離したBVDV 1型(Nose株)培養液106.5 TCID50/mlをMEM培地により希釈し、105、104、103、102、101、100、10-1、10-2 TCID50/mlの8段階に調製した。その後、取扱説明書に従い、希釈したウイルス培養液を前処理したのち(Directタイプは前処理なし)、RT-qPCRに供した。
結果
Easy Directシリーズ3製品ともに、2種のプライマー・プローブセットいずれもBVDV特異遺伝子を検出することができた。
また、いずれのプライマー・プローブセットにおいても、Directタイプが最良の感度を示した。 BVDVの持続感染(PI(Persistent Infection))牛の血清には、少なくとも102 TCID50/mlのウイルスが存在するとされている*3が、熱処理タイプにてプライマー・プローブセットBを使用した場合のみ、このウイルス濃度において、BVDV特異的遺伝子が検出限界以下であった。以上より、BVDV特異的遺伝子の検出については、Directタイプの使用が望ましいことが示唆された。
プライマープローブセットA
プライマープローブセットA
プライマープローブセットB
プライマープローブセットB

Directタイプ  室温処理タイプ  熱処理タイプ
100、10-1、10-2 TCID50/ml は全タイプで検出限界以下であったため、グラフ非掲載

<データ2:牛血清におけるプール可能な検体数の検討>

対象製品
Directタイプ:One Step Easy Direct RT-qPCR Kit (Non-treatment) (製品コード RC805A)
目的
PI牛の摘発では、牛血清をプールして遺伝子検査を行うことが多いため、ウシ血清中のBVDV検出におけるプール可能な検体数を検討した。
検体種:ウシ胎児血清(BVDVフリー)で希釈したBVDV 1型(Nose株)ウイルス培養液
検出ターゲット・検出対象遺伝子:Bovine viral diarrheal virus 5′UTR(データ1のプライマー・プローブセットBを使用)
使用した装置:QuantStudioシリーズ(Thermo Fisher Scientific社)
方法
ウイルス分離したBVDV 1型(Nose株)培養液106.5 TCID50/mlをBVDVフリーのウシ胎児血清で希釈し、105、104、103、102、101、100、10-1、10-2 TCID50/mlの8段階に調製した。その後、取扱説明書に従い、RT-qPCRに供した。
結果
105~10-2 TCID50/mlのいずれのウイルス力価においても、BVDV特異的遺伝子を検出することができた。
Directタイプでは、102 TCID50/mlのPI牛の血清を、少なくとも10,000倍希釈(10,000検体プール)にて検出可能であることが示唆された。
ただし、実際の検査において陽性が確認された際には個別検体での再検査が必要となるため、現実的には10~20検体のプールでの運用が適していると考える。

BVDV特異的遺伝子

<製品に関するコメント>

検査時間
遺伝子抽出については、核酸抽出キットを使用する必要がないため1時間ほど削減された。また、PCR反応時間も従来法(インターカレーター法)に比べ40分程度短縮され、合計で1時間40分程度の短縮となった。
検査費用
今回最も高感度であったOne Step Easy Direct RT-qPCR Kit (Non-treatment)を使用した場合、従来法より半分以下の費用となった。

その他
操作工程が簡易であることから、汚染を広げる可能性(コンタミネーションリスク)が軽減された。さらに、プール血清によりPI牛を検出可能であることから、多検体処理に優れている点が利点であると考えられた。

参考文献
*1 "A universal heterologous internal control system for duplex real-time RT-PCR assays used in a detection system for pestiviruses." Hoffmann, Bernrd, et al. Journal of virological methods (2006) 136.1-2: 200-209.
OIE Terrestrial Manual 2024.
https://www.woah.org/fileadmin/Home/eng/Health_standards/tahm/3.04.07_BVD.pdf
*2 "Development of a one-run real-time PCR detection system for pathogens associated with bovine respiratory disease complex." Kishimoto, Mai, et al. Journal of Veterinary Medical Science (2017) 79.3 : 517-523.
*3 牛ウイルス性下痢・粘膜病, 公益社団法人 中央畜産会, 2017

注意事項:
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