BAL 31 Nuclease

BAL 31 Nuclease

Q1 BAL 31 Nucleaseの反応液組成には600 mMとかなり高濃度のNaClが入っているが、反応に影響はないのか?
A1 BAL 31は海洋細菌由来の酵素なので、高塩濃度でも充分活性を示します。60 mM、200 mM、600 mM NaClでexonuclease活性を比較したところ、あまり活性の差はなく、60 mMと600 mMでも2~3倍程度60 mMの方が高いだけです。60 mM NaClではニッキング活性によりendolyticな分解が起こっており、低塩濃度で使用するのは不適当です。600 mM NaClの方が分解速度が適当で、実用上は全く問題ないと思われます。
Q2 アデノウイルスDNAにBAL 31 Nucleaseを作用させたが分解されない。何故か?
A2 真核細胞由来のDNAにはBAL 31 Nuclease抵抗性のものがあります。塩濃度を下げた方がよいかも知れません。至適塩濃度はssDNAの場合600 mM~1 M NaClですが、dsDNAに対してはより低濃度の方が活性は高くなります。ただし200 mM以下の塩濃度ではdsDNAのアトランダムな分解が起こるので、200~600 mMの範囲で使ってください。なお、Sma IのようなGC richな制限酵素サイトは避けてください。
Q3 BAL 31 Nucleaseはニックからも働くか?
A3 程度は低いが働きます。
Q4 末端から数ヌクレオチドだけ除去したい。通常の条件では削りすぎて困るが?
A4 反応温度を下げる(20℃では30℃の約3分の1の活性)か、Exonuclease III とS1 Nucleaseの組合せをお使いください。

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