原因 |
対策 |
脱パラフィンが不完全 | ・試薬の温度を室温に戻しておく。浸漬する時間を延長する。 |
・操作を行う前にスライドを10分程40~50℃に温めてパラフィンが溶解し易くしておく。 |
・定期的に試薬を新しいものと交換する。 |
検体スライドの乾燥 | ・脱パラフィン後は組織が乾燥しないよう十分に気を付ける。 |
・湿潤箱などを利用して湿度コントロールされた状態で反応を行う。 |
・反応時間が長い場合は、カバースリップなどで組織を覆う。 |
アジ化ナトリウムの混在 | ・緩衝液中にアジ化ナトリウムが含まれていないか確認し、微量であっても含まれている場合は調製し直す。(アジ化ナトリウムによりPOD活性が阻害される。) |
固定・パラフィン包埋過程での抗原のマスク | ・マスクされている可能性がある場合は、染色前に熱あるいはタンパク質分解酵素による抗原賦活化処理を検討してみる。 |
・賦活化処理(酵素・熱)が不十分、または過剰処理による分解も考えられるので最適な条件を十分検討する。 |
・熱処理後は緩衝液とともに組織切片を十分に冷却する。乾燥させない。 |
抗体や酵素反応が不十分 | ・組織洗浄後の水分除去が不十分で、反応液が薄まっている可能性があるので水分を十分取り除く。 |
・抗体の濃度や反応時間の至適条件を検討する。特に一次抗体反応は確実に行う。 |
標本中に存在する抗原が少ない | ・一次抗体反応を4℃で一晩反応させるなど、インキュベーション時間を長くする。 |
・増感あるいは高感度検出系の二次抗体を使用する。 |
抗体・標識二次抗体・発色基質などの劣化 | ・抗体は1回に使用する量を小分け分注し、凍結融解を繰り返さないようにする。 |
・標識二次抗体と発色基質の活性をチェックする。 |
・試薬の有効期限、保存方法を確認する。 |