QuickPrimer (Real Time)シリーズ

サンプルの調製

QuickPrimer (Real Time)シリーズ(製品コード MR101、MR103~107、MR111~113、MR203~205、MR208)

(エリア2で実施)
  1. 増菌培養を実施する場合
    ここでは、増菌培養を行った後の液体培養液からの一般的なDNA調製法について記載する。増菌培養法は、各対象菌の標準プロトコールに従ってください。
    1. (1)精製DNAを調製する場合
      1. 1)目的とする対象菌の培養標準プロトコールに従って検体から増菌培養を行い、得られた培養液を適量採取する。
      2. 2)市販のDNA精製キットを用いて、DNAを調製する。
      3. 3)回収した精製DNA溶液を反応に用いる。
    2. (2)菌体を直接 PCRにかける場合
      1. 1)増菌培養液を1,200 rpmで5分間軽く遠心し、残渣を取り除いた後、上部水層を再度12,000 rpm、10分間遠心して上清を取り除く。
      2. 2)得られた沈殿に適量のTE Buffer(10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA, pH8.0)を加え、95℃で10分間熱処理後、再度遠心して得られた上清を熱抽出サンプルとして用いる。
    <熱抽出サンプルの調製例>
    食品サンプルより標準の増菌培養を行った培養液10 μlをTE Buffer 90 μlに加える。
     ※高い感度が必要な場合は、培養液1 mlを5,000 rpm、5分間の遠心により集菌し、TE Buffer 100 μlに懸濁する 。
      ↓
    95℃ で10分間加熱処理後、12,000 rpm、1分間の遠心分離により残渣を除く。
      ↓
    遠心上清を反応に用いる。

    参考:食材からの培養試料の調製例
    食材10 g(ml)に対し緩衝ペプトン水90 mlを加え、ストマッカーで均質化した後、40 mlを分取する。遠心分離し上清を除去した後、生理食塩水2 mlに懸濁する。全量を培養液に添加し培養する(食材4 g(ml)に相当)。
  2. 固形培地上のコロニーを使用する場合
    (1)培養プレート上のコロニーから、滅菌済みのマイクロピペット用チップなどの先に極微量の菌体をとり 50~500 μlのTE Bufferに懸濁し菌液を作製する。
    (2)95℃、5~10分の熱抽出処理後、適当量(本製品の標準添加量:3 μl)を反応液に添加し反応を開始する。
注1)加工食品によっては(特に香辛料を多く含む食品)、PCR阻害を生じる場合があります。この場合、より厳密な菌体からのDNA抽出法を使用する必要があります。
注2)死菌数が多すぎる食品では、培養法を組み入れても死菌が検出される場合があります。
注3)ビブリオ科細菌の中で好塩性のものは、BHI培地*1やSCD培地*2で良好な増殖性を示さない可能性があります。
注4)増菌培養より得た熱抽出DNAを初めてPCRに使用される場合は、培地成分が結果に影響を及ぼす場合がありますのでご注意ください。
注5)サンプルの取り扱いに際しては、適切な設備・保護具を使用し、規制・ガイドライン等に従い適切な作業を行ってください。

*1 BHI培地:ブレインハートインフュージョンブイヨン、日水製薬(株)
*2 SCD培地:トリプトソーヤブイヨン、日水製薬(株)

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