NucleoBond® RS

ワクチングレードプラスミド大量精製プロトコール

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試薬の調製Buffer RES-EF(+RNase A)*1、70%エタノールが調製、希釈されていることをご確認ください。
1.前培養液の調製
 
5 mlの抗生物質入りLB培地に新鮮なシングルコロニーのプラスミドを保有する大腸菌を植菌します。37℃ 200~300 rpmまでの回転数で培養します(8時間を超えないようにしてください)。
2.大腸菌の大量培養
適当な量の抗生物質入りCIRCLEGROW培地*2に前培養液を加え、12~16時間ジャーファーメンターなどで培養してください。培養量はODV(=OD600の値×培養量(ml))が3,000になるように設定します*3
3.大腸菌の集菌
大腸菌培養液のOD600を測定し、ODV(=OD600の値×培養量(ml))が3,000になるように使用する大腸菌量を決定します。その量の大腸菌培養液を4,500~6,000×g、4℃で10分以上遠心して、大腸菌を回収します。上清を完全に取り除きます。
4.大腸菌の再懸濁
60 mlのBuffer RES-EF(+RNase A)を加えて5~10分間緩やかに凝集物がなくなるまで懸濁します(振盪機を用いて30 rpm程度の回転数で1時間程度懸濁してください。ただしこの場合でも凝集物がなくなっていることはご確認ください)。
プラスミドのコピー数の関係でODVが3,000以上となる大腸菌培養液を使用する場合には、Buffer RES-EFを増量してください。この場合LYS-EF、NEU-EFの使用量も比例して増量してください。
5.大腸菌の溶解
4.のBuffer RES-EFと同量のBuffer LYS-EFを加えて、5~6回緩やかに転倒混和して混合してください。全体が一様に青色になっていることを確認してください(溶液の粘性が高くなりますが、大腸菌のゲノムDNAが混入する恐れがあるため、激しく混合することは避けてください)。
4~5分間室温で静置します。長時間のアルカリ状態での放置は、プラスミドの不可逆的変性、大腸菌ゲノムDNAの混入を引き起こす恐れがあるため避けてください。
6.溶解液の中和
4.のBuffer RES-EFと同量のBuffer NEU-EFを加えて、6~8回緩やかに転倒混和して混合してください。粘性が低減され、全体が無色透明となっていることをご確認ください。
7.ライセートの静置
溶解液を氷上で15分以上静置してください。
8.カラムの平衡化
NucleoBond RS 10カラムを適当なシステムに接続し、Buffer EQ-EFを5 ml/minの流速で流して、カラムを平衡化してください*4
9.ライセートの清澄化*5
NucleoBond Bottle Top Filter Type 2に吸引ポンプと回収ボトルをつなぎ、7.のライセートを加えてください。
-400~-600 mbarで2分程度吸引して、ライセートを通過させてください。Filter 1つで500~1,000 mlのライセートを処理可能です。
あらかじめライセートを遠心し、上清をFilterに加えることで、Filterを節約することも可能です。
10.ライセートのローディング
9.の清澄化したライセートを、NucleoBond RS カラムに5 ml/minの流速でロードしてください。
11.カラムの洗浄(1回目)
Buffer ENTO-EF 30 mlで洗浄してください(流速5 ml/min)。
12.カラムの洗浄(2回目)
Buffer WASH-EF 30 mlで洗浄してください(流速5 ml/min)。
13.溶出
Buffer ELU-EF 30 mlで溶出します(流速5 ml/min)。溶出液は乾熱滅菌したガラス容器もしくはendotoxin freeのプラスチック容器に受けてください。
溶出開始から1/8 volume(カラム容量分)についてはプラスミドがほぼ含まれないので、受ける必要はありません。この段階でOD260を測定し、プラスミドの収量を推定しておくと、16.での溶解液量の決定に便利です。
溶出液はなるべく早く14.のイソプロパノール沈殿に進むのが望ましいですが、氷上で数時間保存しておくことも可能です。この場合はイソプロパノールを加えるまでに室温に戻す必要があります。
14.イソプロパノール沈殿
溶出液量の0.7 volumeの室温のイソプロパノールを加えて、よく混合してください。この時温度は5℃から25℃の範囲になるようにしてください。高温では収量が減り、低温では塩が沈殿する可能性があります。
室温で2分間静置後、室温以下の温度で4,500×g以上の回転数で、15分間以上遠心して沈殿させます(望ましくは15,000×g、4℃で30分間)。
沈殿を失わないように注意して、上清を捨ててください。
15.70%エタノールリンス
沈殿に室温の70%エタノールを加えて、軽く混合し、室温で遠心してください(4,500×g以上の回転数で5分間、望ましくは15,000×g以上)。
ピペットなどを使用して、上清を注意深く完全に除去してください。イソプロパノールの混入を防ぐため、このステップを繰り返してもよいです。
沈殿を室温で風乾します。過剰に乾燥させると、プラスミドの溶解が困難になるので注意してください。
16.プラスミドの溶解
適当な液量のBuffer TE-EFもしくはH2O-EFで溶解してください*6。13.でOD260を測定してプラスミド回収量を推定した場合は、それに合わせて溶解量を決定してください。
ピペッティングや振盪機などを用いて緩やかに撹拌し溶解させてください。
UV測定などを行い、プラスミドの収量と品質を決定してください。
*1 Buffer RES-EF(+RNase A )の調製法
RNase A (lyophilized)(製品コード 740505)を使用する場合:
100 mg lyophilized RNase A(製品コード 740505)を1 mlのBuffer RES-EFを加えて完全に溶解し、このうち600 μlを1 LのBuffer RES-EF加えて混合してください。
Liquid RNase A(製品コード 740397)を使用する場合:
1 LのBuffer RES-EFに対して600 μlのLiquid RNase Aを加えて混合してください。
混合後、Buffer RES-EF(+RNase A)は4℃で保存してください(12ヵ月使用可能)。
*2 CIRCLRGROW培地以外にPlasmid+培地やTerrific Brothなども使用可能です。各培地で増殖速度やプラスミドの収量は確認しておく必要があります。
*3 ODVの3,000という値は、pUCシリーズなどの一般的な高コピープラスミドの精製を想定しています。より低コピーのプラスミドを精製する場合には、この値を増やす必要があります。この場合、Buffer RES-EF、Buffer LYS-EF、Buffer NEU-EFも合わせて量を増やしてください。
*4 カラムの内圧は7 kg/cm2 (100 psi)を超えないように注意してください。
*5 ライセートの清澄化はカプセルフィルターを用いて行うこともできます。こちらの方法については、英文説明書を参照してください。
*6 一般的には1 mg/ml程度になるように溶解しますが、目的のプラスミド濃度となるように設定可能です。

<注意>
使用時には、詳細を必ず添付の英文説明書で確認してください。

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