pBApo-EF1αベクターシリーズ

マウスES細胞での発現比較(pBApo-EF1α vs. pBApo-CMV)

I.一過性発現を顕微鏡下で比較

【方法】AcGFP1遺伝子を挿入したpBApo-EF1α NeoおよびpBApo-CMV Neoを、Xfect Stem Transfection Reagentを用いてそれぞれマウスES細胞(E14TG2a)に一過性に導入し、48時間後に位相差および蛍光顕微鏡にて観察した。


【結果】一過性発現ではCMV IEプロモーターで高発現が得られると考えられているが、本実験では、一過性発現においてもEF1αプロモーターがより高い発現を示した。なお、マウスES細胞の位相差顕微鏡像は、トランスフェクションを行った細胞と未処置細胞で差が認められず、未分化な状態を保持していると考えられる。

II.一過性発現および安定発現をFACS解析で比較

【方法】遺伝子導入から48時間後にE14TG2a細胞を回収し、Flow cytometerにてAcGFP1陽性細胞を計測した(一過性発現)。陽性細胞の割合を%positiveで示し、各陽性細胞におけるAcGFP1の発現強度をMFI(Mean of Fluorescent Intensity)で示した。
また、回収細胞を1:40に希釈継代し、G418を終濃度250 μg/mlとなるよう添加して選択培養を開始した。同様の希釈継代をさらに2回行い、増殖した細胞を薬剤耐性集団とし、Flow cytometerにて耐性細胞集団におけるAcGFP1発現を計測した(安定発現)。


【結果】一過性発現の段階で、既にEF1αプロモーターはMFI値で4.6倍の高発現を示した。また、安定発現でもEF1αプロモーターは高い発現を示し(MFI値で5.8倍)、マウスES細胞(E14TG2a)でのEF1αプロモーターの有用性が確認できた。

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