アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによる遺伝子導入 参考文献

【参考データ】AAV Extraction SolutionによるAAV2ベクター抽出効果

AAVpro Helper Free System (AAV2)(製品コード 6230)

AAVpro Helper Free System (AAV2)(製品コード 6230)に含まれるAAV Extraction Solution AおよびBを使用することで、簡便に効率よくAAV2ベクターを抽出することができる。以下に参考データを示す。

【 凍結融解法との比較(1) <力価> 】
AAVpro Helper Free System (AAV2)とpAAV-ZsGreen1 Vector(製品コード 6231)を用いてZsGreen1を搭載したAAV2ベクターを産生するHEK293細胞を作製した。得られた細胞からAAV Extraction Solutionを使用してAAV2ベクターを抽出した。比較対照として、凍結融解法によりAAV2ベクターを抽出した。得られた抽出液はリアルタイムPCRによるベクターゲノム定量およびHT1080への感染実験を行い、その力価を評価した(図1、図2)。その結果、AAV Extraction Solution使用時の方が明らかに力価が高いことが示された。

AES:AAV Extraction Solution
F/T:凍結融解法

vg:Vector Genome
図1.AAV Extraction Solutionを用いたAAV2抽出効率 <ベクターゲノム定量>

AES:AAV Extraction Solution
F/T:凍結融解法
図2.AAV Extraction Solutionを用いたAAV2抽出効率 <HT1080への感染力価>

【 凍結融解法との比較(2) <不純物> 】
AAVpro Helper Free System (AAV2)を用いて目的遺伝子を搭載しないAAV2ベクターを産生するHEK293細胞を作製した。得られた細胞からAAV Extraction Solutionを使用してAAV2ベクターの抽出を行った。比較対照として、凍結融解法によりAAV2ベクターを抽出した。得られたウイルス液はリアルタイムPCRによるベクターゲノム定量を行った後、1×109 vg分のウイルス液をSDS-PAGEに供して、ウイルス液中に混入している不純タンパク質を評価した(図3)。さらにインターカレーター法により、ウイルス液中に混入している2本鎖DNAの定量を行った(図4)。その結果、AAV Extraction Solutionを使用して得られたウイルス液は、凍結融解法と比較して明らかに不純タンパク質と2本鎖DNAの混入が少ないことが示された。

AES:AAV Extraction Solution
F/T:凍結融解法
(1×109 vg / lane)
図3.AAV Extraction Solutionを用いて抽出したAAV2溶液のSDS-PAGE


図4.AAV Extraction Solutionを用いて抽出したAAV2溶液中の2本鎖DNA混入量

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