TB Green® Premix Ex Taq™ II (Tli RNaseH Plus)

【ユーザー様実施例3】 オウトウショウジョウバエの生殖休眠誘導機構に時計遺伝子は介在するか?

データご提供:T大学 F様

■ 実験の概要

生殖休眠とは、昆虫が越冬のために代謝や生殖器官の発達を抑制する環境適応機構のひとつで、休眠を誘導する遺伝基盤の解明を目指した研究が行われてきた。先行研究により季節の感知には光情報が重要であるとされ、日単位の概日リズムを作る時計遺伝子の関与が提唱されてきたが、詳細を明らかにした例はない。本研究では、生殖休眠の誘導の遺伝基盤に時計遺伝子が介在しているかを明らかにするため、オウトウショウジョウバエという遺伝学的ツールの整ったキイロショウジョウバエに近縁な種を用いて研究を行っている(図1)。 ショウジョウバエの時計遺伝子の発現量は1日単位で振動している。本研究では、ショウジョウバエを長日または短日に晒した時に、振動パターンがどのように変化するかを調べた。4時間おきに10個体ずつを瞬間凍結させ、頭部のみを回収し、RNAを抽出、タカラバイオのPrimeScript RT reagent Kit with gDNA Eraser (Perfect Real Time)を用いてcDNA合成し、相対発現量をリアルタイムPCR試薬(TB Green Premix Ex Taq II (Tli RNaseH Plus))を用いて調べ、振動パターンを明らかにした(図2)。時計遺伝子は複数存在し、発現量が小さい遺伝子も存在するため、リアルタイムPCRで正確に定量し、振動パターンを把握できるかもポイントであった。
オウトウショウジョウバエ卵巣の非休眠・休眠時の形態
図1.オウトウショウジョウバエ卵巣の非休眠・休眠時の形態
時計遺伝子Aの振動パターン
図2.時計遺伝子Aの振動パターン

■ 結果

結果

本研究の結果、発現量の小さい遺伝子であっても、リアルタイムPCRで正確に定量できることが明らかになった(増幅曲線画像を参照)。また、振動パターンも把握することができた(前項の図2参照)。

■ TB Green Premix Ex Taq II (Tli RNaseH Plus)を使った感想はいかがでしたか?

プライマーと試薬を混ぜたマスターミックスを調製、分注し、サンプルを規定量入れるのみの工程であるため、初心者である私でもリアルタイムPCRを比較的容易に実施することができました。

■ TB Green Premix Ex Taq II (Tli RNaseH Plus)を使ったことがないユーザー様におススメの一言をお願いします。

初心者でもかなり容易にリアルタイムPCRが行える試薬であると思います。

  TB Green® Premix Ex Taq™ II (Tli RNaseH Plus)