発酵温度やスターター菌の違いによって最終品の品質が変わる場合、どの要因が差につながっているのかを把握することが課題となります。 複数条件の発酵検体を同じ基準で比較することで、菌叢構成と代謝物プロファイルの関係を評価し、品質差の背景要因を検討できます。
解析の進め方
- 条件ごとの16S rRNA菌叢解析をQIIME 2などで処理し、発酵条件別の菌叢構成を積み上げ棒グラフで比較します。
- 必要に応じてメタボローム解析を組み合わせ、PCA、ヒートマップ、群間比較、代謝経路マップにより、品質差に関係する候補菌種や候補代謝物の把握を目指します。
解決が期待される課題
- QIIME 2による菌叢構成の比較と、メタボローム解析による候補代謝物の経路上での確認を組み合わせることで、経験的に判断していた発酵条件の違いをデータに基づいて評価できます。
- その結果、スターター菌の選定、発酵条件の最適化、ロット間差の低減、品質安定化に向けた検討に活用できます。
Keyword: fermented foods、starter culture、postbiotics、発酵微生物群集、メタボローム解析、短鎖脂肪酸
参考文献
自然発酵食品の発酵過程で、微生物叢と代謝物変化を追跡したオープンアクセスの実例です。
Yang, X., Hu, W., Xiu, Z., Jiang, A., Yang, X., Saren, G., Ji, Y., Guan, Y., & Feng, K. (2020). Microbial community dynamics and metabolome changes during spontaneous fermentation of northeast sauerkraut from different households. Frontiers in Microbiology, 11, 1878.
解析結果イメージ
積み上げ棒グラフ: 発酵条件やスターター菌の違いによる菌叢構成の変化を比較する図の例
代謝経路マップ: 品質差に関係する候補代謝物を経路上で確認する図の例