製品説明
Single strand DNA Ligaseは、一本鎖DNA同士を連結できる酵素です。また「一本鎖DNA同士」「一本鎖RNA同士」「一本鎖DNAと一本鎖RNA」いずれの組み合わせでも高い効率で連結することが可能です。(図1)
本酵素はATP存在下において、一本鎖DNA/RNAの5'-P(リン酸基)末端と3'-OH(ヒドロキシル基)末端をホスホジエステル結合で連結します。またATP非存在下において、一本鎖DNAの5'-App(プレアデニル基)末端と3'-OH末端の連結が可能です。

P:リン酸基末端
App:プレアデニル基末端
OH:ヒドロキシル基末端
図1.本酵素で連結可能な核酸の組み合わせ 内容
*コンポーネントカラー無し
保存
-20℃
濃度
1 U/μl
活性の定義
1 pmol/25 μlの一本鎖DNA(50塩基)を、37℃で4時間で80%以上ライゲーションさせる酵素活性を1 Uとします。
品質管理データ
性能試験結果については、各ロットのCertificate of Analysis(CoA)をご覧ください。CoAは
こちらからダウンロードできます。
使用上の注意
- Template(一本鎖DNA/RNA)の3’-OH末端とアダプターの5’-P末端もしくは5’-App末端をライゲーションさせる場合、Templateに3’末端の修飾もしくは3’-OH末端の欠損があると、当該末端へのライゲーションは阻害されます。
- 二本鎖DNAをTemplateとして使用する場合、熱変性により一本鎖DNAとすることを推奨します。
用途
- 一本鎖DNAあるいは一本鎖RNAにおける3’-OH末端への標識アダプター付加
- アダプターを起点としたPCRやRT-PCR
- 一本鎖DNAに対するシーケンスアダプター付加を通じたNGS(Next-Generation Sequencing)ライブラリー調製
反応温度
反応温度: 25~60℃
最適温度: 37℃
反応時間
15分~16時間
実験例
一本鎖核酸同士の連結
【方法】
「一本鎖DNAと一本鎖DNA」「一本鎖DNAと一本鎖RNA」「一本鎖RNAと一本鎖RNA」の組み合わせにおける連結能力を下記反応液組成と反応条件に基づいて評価しました。
試薬名 | 使用量 | 最終濃度 |
Single strand DNA Ligase | 1 μl | 0.04 U/μl |
2X Single strand DNA Ligase buffer | 12.5 μl | 1X |
ATP | 1 μl | 0.4 mM |
5’-phosphorylated adapters | 25 pmol | 1 pmol/μl |
Template | 5 pmol | 0.2 pmol/μl |
Nuclease-Free Water | up to 25 μl | ー |
反応条件:
37℃ 4時間
80℃ 10分
図2.一本鎖核酸同士の連結
【結果】
Single strand DNA Ligaseは一本鎖核酸の種類を問わず、高い連結能力を示した。