製品説明
RNase Rは、直鎖状RNAを効率的に分解する3’-5’エキソリボヌクレアーゼです。本酵素は、環状または投げ縄(ラリアット)のRNA構造は分解できないため
1)、環状RNAおよびラリアットRNAの濃縮および精製に有用です。
lane | RNase R | 酵素量/基質RNA量 |
酵素なし | - | 0 U/1 µg |
1 | Takara | 20 U/1 µg |
2 | A社 |
3 | B社 |
4 | C社 |
5 | Takara | 20 U/5 µg (4 U/1 µg) |
6 | A社 |
7 | B社 |
8 | C社 |
図1. RNase Rの直鎖状RNA分解能(他社比較)
本製品および他社RNase Rを用いて、直鎖状RNAと環状RNA(存在比1:1)を含むRNA基質1 µgまたは5 μgの分解能を確認した。
各反応は、20 μl反応系において本製品および他社RNase Rを20 U添加し、37℃で15分間反応後に変性アガロースゲル電気泳動を行った。
その結果、本製品は環状RNAを分解することなく、直鎖状RNAのみを選択的に分解した。また、本製品は5分の1の酵素量においてもその分解能が保持されることが示された。
保存
-20℃
起源
Escherichia coli carrying a plasmid that encodes the gene for RNase R*
*本酵素はN末端にHis-tagが付加されている。
一般的性質
質量:約93 kDa
活性の定義
37℃ 10分間で10 μgのpoly-r(A)を酸可溶性ヌクレオチドに変換する酵素量を1 Uとする。
失活条件
60℃、10分
活性測定用反応液組成
1× | 10×RNase R Reaction Buffer |
60 μg/react. | Poly-r(A) |
品質管理データ
性能試験結果については、各ロットのCertificate of Analysis(CoA)をご覧ください。CoAは
こちらからダウンロードできます。
用途
- NGSやqPCR解析の前処理としての環状RNA濃縮
- 環状RNA合成やサンプル中の直鎖状RNA除去
使用例
以下の反応液を調製する。
↓
37℃で15~30分間インキュベーションする。
*1 RNase Rが分解するRNAには7ヌクレオチド以上の3’オーバーハングが必要とされている。
2)
*2 大過剰なRNase Rの添加は環状RNAの分解を引き起こす可能性がある。環状RNAの分解が見られた場合は酵素の使用量を減らす。