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1. Insert cDNAは、pAP3neoのBgl II */ Not Iサイトにクローニングしている。
* | Adaptor, BamH I(Bgl II)-Sma Iを用いてクローニングしているため、クローニング後のBgl IIサイトは潰れている。 |
2. Xba Iサイトはdam methylaseの影響を受けている。
マウス各種臓器由来のpolyA+ RNAよりリンカープライマー法1)を利用して以下の手順で各cDNAライブラリーを作製している(図2)。制限酵素Not I認識部位を有するoligo(dT)18リンカープライマーとBamH I(Bgl II)-Sma Iアダプターを用いてunidirectional cloningしているが、制限酵素Not I処理からcDNAを保護するため、逆転写酵素(RAV-2由来)による第一鎖cDNA合成時に5-methyl dCTPを取り込ませている。第二鎖cDNA合成、末端平滑化の後、アダプターを付加し、制限酵素Not Iで切断している。遊離のアダプターと短いcDNA断片は、クローニングの前のサイズ分画によりある程度除去している。サイズ分画されたcDNAはNot Iサイト側のみリン酸化されており、一方、ベクターは、制限酵素Not Iで切断した後、脱リン酸化処理を行い、制限酵素Bgl IIで切断しているので、ベクターはBgl IIサイトのみリン酸化されていることになる。これにより、cDNAとベクターとのライゲーションの際に、複数のcDNAがベクターに挿入されたり、ベクター 同士が連結する可能性を低減させている。cDNAとベクターを連結した後、XL1-Blue MRF′を宿主としてエレクトロポレーション法により形質転換を行うことによりcDNAライブラリーを作製している。作製したライブラリーは、液体培養法ではなく、プレート培養法により一度だけ増幅しているため、プライマリーライブラリーのポピュレーションがほぼ保たれている。プラスミド型cDNAライブラリーは、一度だけ増幅した菌体からプラスミドDNAを抽出精製して調製している。
図2 cDNAライブラリー作製法1)