Thiophilic-Superflow Resinは‘Thiophilic’な性質を持つsulfone thioether ligandを利用した親和性吸着カラムである。リガンドへの結合性は塩濃度により調節され、各グロブリンIgY、IgM、IgA、Fab断片、Fc断片やC3、C4各補体の結合性を塩濃度により調節できる(1)。
Protein Aでのグロブリンの精製に比べ、以下のような利点を備えている。
- 中性pHで精製可能
- 各グロブリンへの高い選択性(IgY、IgM、IgE、scAb)
- 高い結合容量(15~20 mg Ab/mlレジン)
- 再使用可能
図1. Thiophilic Resinの構造
図2. Thiophilic Resin とProtein Aによる抗体精製操作の比較
Thiophilic ResinはpH7.0のバッファーで溶出可能。Protein Aでは溶出時に低いpH条件を使用し、さらに透析操作が必要になる。
表1. Thiophilic-Superflow Resinの仕様
項目 |
Thiophilic-Superflow |
バッチ法/自然流下 |
可 |
FPLC |
可 |
スケール |
分析または調製レベル |
容量 (mg IgG/ml吸着剤) |
25 |
マトリックス |
架橋アガロース |
最大流速 (cm/分) |
5.0 |
長さ5cm×内径1cm カラムでの最大流量 |
4.0 |
pH安定性 |
2~10 |
供給形態 |
25%エタノール溶液中に 50%懸濁液として提供 |
保存 |
4℃、凍結不可 |