Crystal Digital PCR^® Assay

Stilla社のCrystal Digital PCR Assayは、Flex ProbeとUniversal Reporterの2つの製品から構成されるデジタルPCRのための新しいアッセイです。
Flex Probeは、ターゲット特異的な非蛍光標識プローブです。Flex Probeには、特定のUniversal Reporterに結合するタグ配列が含まれており、ターゲット配列にFlex Probeが結合して加水分解されるとタグ配列を遊離します。Universal Reporterは、Flex Probeと合わせて使用する蛍光標識オリゴヌクレオチドです。Universal Reporterからの蛍光シグナルの放出は、Flex Probeが加水分解されて遊離されるタグ配列がUniversal Reporterに結合することで引き起こされます（下図参照）。
Crystal Digital PCR Assayでは、蛍光シグナルはターゲットに特異的なFlex Probeからではなく、蛍光標識オリゴヌクレオチドのUniversal Reporterから供給されます。つまり、ターゲットごとに設計が必要なFlex Probeには蛍光標識が不要であるため、特にマルチプレックス化されたデジタルPCRアッセイの最適化において、一般的な蛍光プローブ法よりもコストを抑えた検出方法を提供します。

Crystal Digital PCRアッセイを使用して、がん治療研究のモニタリングにおける臨床バイオマーカーの完全なパネルの開発、様々な残留DNAの品質管理、排水中の微生物種の完全なスクリーニングなど、さまざまなアプリケーションに取り組むことができます。

ターゲット存在下の反応例

• ターゲット配列が存在する場合、Flex Probeがターゲット配列に特異的に結合します。Flex Probeの加水分解によって、Flex Probeから特定のUniversal Reporterに結合するタグ配列が遊離されます。
• 遊離されたタグ配列が特定のUniversal Reporterに結合してプライマーとして機能することで、Universal Reporterからクエンチャーが外れて蛍光シグナルが放出されます。

ターゲット非存在下の反応例

• ターゲットが存在しない場合、Flex Probeの加水分解が起きないためFlex Probeからタグ配列は遊離されません。そのためタグ配列はプライマーとして機能せず、Universal Reporterからの蛍光シグナルの放出は起きません。

Crystal Universal Reporter
Universal Reporter 3には3種類の蛍光標識オリゴヌクレオチドが、Universal Reporter 7には7種類の蛍光標識オリゴヌクレオチドが含まれており、マルチプレックスの数に合わせていずれかのUniversal Reporter製品をFlex Probeと組み合わせて使用します。

バリデーション済みのCrystal Digital PCR Assayリスト
Stilla社ではバリデーション済み^＊のCrystal Digital PCR Assayをラインナップしています。全てのCrystal Digital PCR Assayには、プライマーセットとFlex Probe、陽性コントロールが含まれます。Crystal Digital PCR Assayリストはこちらをご確認ください。
＊バリデーションにはStilla社のnaica multiplex PCR MIX 10XとRuby Chipが用いられています。Crystal Digital PCR Assayを使用する場合は、naica multiplex PCR MIX 10XとRuby Chipをご使用ください。

カラーコンビネーション機能を用いて高度なマルチプレックスを実現
Stilla社のデジタルPCRシステムに搭載されているカラーコンビネーション機能を用いれば、一度の反応で最大21種類のターゲットを同時に定量することが可能です。通常のマルチプレックス試験では、1つのターゲットは単一の蛍光色素を使用して検出されます。しかし、Stilla社のカラーコンビネーション機能を使用したマルチプレックス解析では、1つのターゲットを2つの異なる蛍光色素を用いて検出します。この戦略により、より多くのターゲットを同時に検出するアッセイの開発が可能です。
下図は、カラーコンビネーション機能を使用した場合に、7色のデジタルPCRシステムで最大21のターゲットを同時に検出する例を示しています。カラーコンビネーション機能は貴重な時間とサンプルを節約するために、より多くのターゲットを同時に検出するニーズに対応しています。高度に多重化されたアッセイでは、サンプルの逐次的な解析の必要性がなく、一度の解析でより多くのデータを取得することができます。

カラーコンビネーション機能とCrystal Digital PCR Assayを用いて12マルチプレックス解析によるESR-1変異解析を行ったテクニカルノートはこちらをご確認ください。

Crystal Universal Reporter 3 (UR3) （製品コード R41401/R41402）
Crystal Universal Reporter Tube A

Crystal Universal Reporter 7 (UR7) （製品コード R42401/R42402）
Crystal Universal Reporter Tube A
Crystal Universal Reporter Tube B

Crystal Digital PCR Assay 各種
Crystal Digital PCR Assay
Positive Control

Crystal Universal Reporter：－20℃
Crystal Digital PCR Assay：－20℃