本製品は、多糖類やポリフェノール類などを大量に含む植物試料(芋、果実、種子など)から、
RNAiso Plus(製品コード 9108/9109)や、
NucleoSpin RNA Plant(製品コード 740949.20/.50/.250)を用いてtotal RNAを抽出する際に併用するRNA抽出補助試薬である。非イオン性のポリマーを含み、多糖類やポリフェノール類などの物質と結合する。破砕した試料に本製品を加え遠心操作を行うだけで、Fruit-mateと結合した物質を簡単に取り除くことができ、RNA抽出キットだけでは難しかった植物からのRNA抽出に効果を発揮する。
RNAiso Plusと組み合わせて使用する場合は、破砕した試料に本製品を加えよく混和した後、遠心操作により不溶物を除く。採取した上清に等量のRNAiso Plus溶液を加え、さらにクロロホルムを添加してよく混和した後、遠心操作により3層に分離を行う。RNAの含まれている上部の水層を採取し、イソプロパノール沈殿によりtotal RNAを回収する。これにより、約1時間でtotal RNA抽出の全工程が完了する。
NucleoSpin RNA Plantと組み合わせて使用する場合は、破砕した試料に本製品を加えてよく混和後、遠心操作により不溶物を除き採取した上清にRA1(+DTT)またはRAP(+DTT)を加える。よく混合した後、NucleoSpin Filterでさらに不純物を除去する。フロースルーに70%エタノールを加えてライセートを調製後、核酸回収用のシリカメンブレンを装着したカートリッジを用い、微量遠心機を使用するプロトコールによりtotal RNAを回収する。これにより、約30分で純度の高いtotal RNAが抽出できる。
調製したtotal RNAは、RT-PCR、ノーザンブロット分析、mRNAの単離などに用いることができる。
本製品で、total RNA収率において効果を確認した植物(部位)は以下の種類である。
≪効果があった植物(部位)≫
ミニトマト(果実)、バナナ(果肉)、イチゴ(果肉)、トマト(種子)、米(種子)、ジャガイモ(塊茎)、みかん(皮)、松(葉)、アロエ(葉)、マンゴー(果実)、シロイヌナズナ(種子)、菊(葉)、バラ(葉)
【注意】本製品は、特に多糖類やポリフェノール類の多い植物専用に設計されていますが、植物種(部位)によっては、改善の効果が見られない場合や、むしろ収率が落ちる場合があります。上記以外の植物(部位)をお試しになる場合はご注意ください。 また、多糖類含有量が高くない部位では、通常、改善効果は見られません。