従来品NucleoSpin FFPE RNAより、収量が改善、操作も簡便になり、small RNAの抽出も可能になったバージョンアップキットです。サンプル量が多い場合(10切片程度まで)はNucleoSpin totalRNA FFPEを、少ない場合(3切片程度まで)はNucleoSpin totalRNA FFPE XSをご使用ください。 製品説明
NucleoSpin totalRNA FFPE XSキットは、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織からsmall RNAやmRNAなどを含むtotal RNAを抽出するためのキットである。Paraffin Dissolverの使用により、キシレンを使用しないでFFPEサンプルからパラフィンを除去することができる。また、Paraffin Dissolverは青く着色されているため、界面の確認が容易であり、確実な操作が行える。本キットではサンプル溶解と脱クロスリンク処理をワンステップで行え、さらに、microRNAなどのsmall RNAも効率よくカラム精製できるように最適化されている。残存DNAも簡便なオンカラムでのDNase処理により除去できる。本製品は、5~30 μlという少容量での溶出が可能なため、高濃度なRNA溶液を得ることができる。
FFPEサンプル量がXSカラムの容量を超える可能性がある場合は
NucleoSpin totalRNA FFPEの使用を推奨する。
原理 | シリカメンブレン法 |
形状 | XSスピンカラム |
サンプル量 | 1~3切片(厚さ約10 μm、約6 cm2まで ) (<5 mg組織) |
RNA回収量 | サンプル品質および量に依存 |
溶出液量 | 5~30 μl |
精製時間 | 70分(DNase処理を行う場合は90分) |
結合容量 | 100 μg |
| Mini spin:NucleoSpin totalRNA FFPE XS column:NuceloSpin totalRNA FFPE XS |
図1. NucleoSpin totalRNA FFPE XSによる微量試料からのRNA調製
FFPEサンプル(1×15 μm厚 マウス脾臓、1×10 μm厚 マウス心臓)より、NucleoSpin totalRNA FFPE XSまたはNucleoSpin totalRNA FFPEを用いてmiRNAを含むtotal RNAの精製を行った。溶出液量はNucleoSpin totalRNA FFPE XSでは20 μl、NucleoSpin totalRNA FFPEは50 μlで溶出した。mRNA及びmiRNAのリアルタイム定量PCRの結果を示す。mRNAはβ2-microglobulin遺伝子、miRNAはmiR-16を対象に実験を行った。NucleoSpin totalRNA FFPE XSにより精製したtotal RNAは濃度が高く、少なくとも1サイクル以上低いCt値を示した。
内容
・Paraffin Dissolver
・Lysis Buffer MLF
・Precipitation Buffer MKA
・Binding Buffer MX
・Reaction Buffer for rDNase
・Wash Buffer MW2 (Concentrate)*
・RNase-free H2O
・rDNase, RNase-free(凍結乾燥品)
・Liquid Proteinase K
・NucleoSpin RNA FFPE XS Columns (light blue rings)
・Collection Tubes (2 ml)
・Collection Tubes (1.5 ml)
* 説明書に従って96~100%エタノールを添加後、使用
保存
rDNase, RNase-free(凍結乾燥品):4℃
その他の試薬:室温
操作手順
用途
- ホルマリン固定パラフィン包埋組織からのRNA精製
例:大腸癌(未染色、ヘマトキシリン染色)、大腸粘膜、肝臓(ラット、ヒト)、肝癌(ヘマトキシリン染色)、リンパ節、脾臓(ラット、ヒト)、膵臓(ラット、ヒト)、胎盤
- スライド上標本(未染色、染色済)からのRNA精製
- 調製RNAはRT-PCRなどに使用可能
NucleoSpinはマッハライ・ナーゲル社の登録商標です。