製品説明
Magnosphere MS300/Carboxylは、高純度なバイオセパレーション用に開発された磁性粒子である。粒子表面は親水性ポリマーで覆われ、プローブ固定化用の官能基としてカルボキシル基が導入されている。この粒子表面が非特異的吸着を低レベルに抑えるとともに、カルボキシル基を介して粒子表面に固定化された抗体などプローブ分子のアフィニティーを高く保つ。この特長により、Magnosphere MS300/Carboxylは酵素免疫測定、免疫沈降-ウェスタンブロット解析、DNAプローブの固定化などに用いる担体として優れた性能を発揮する。
アミノ基を含む抗体等のプローブ分子をMagnosphere MS300/Carboxylへ固定化する場合は、アミノカップリング法による共有結合法を推奨する(添付書類参照)。また、免疫沈降用の担体として用いる場合、粒子上に捕捉した標的タンパク質の溶出を少量(~20 μl)の溶出液で行うと回収タンパク質の濃縮が不要となり、次工程への移行が容易である。
Magnosphereは均一な粒子径を持ち、超常磁性を示すため、磁気分離や再分散の操作を非常にスムーズに行うことができる。
内容
Magnosphere MS300/Carboxyl:4 ml (10 mg/ml)
分散媒:H2O
保存
4℃
仕様
粒径:3 μm
表面官能基:カルボキシル基(約10 nmol/mg粒子)
用途
- アミノ基を含むタンパク質などの単離・回収
- 免疫沈降ウェスタンブロット
- 免疫沈降ショットガンプロテオミクス
- 免疫測定
実験例(免疫沈降)
Magnosphere MS300/Carboxylに、固定化プロトコルI に従って抗20Sプロテアソームα6モノクローナル抗体(Biomol International, L.P.社, クローン MCP20)を固定化した。Jurkat cell lysate(100 μg protein)から20Sプロテアソームを免疫沈降した結果、20Sプロテアソームの複合体(α1~α7、β1~β7)が高純度に回収された(レーン4)。一方、他社製磁性粒子を担体に用いた場合には非特異的なタンパク質のバンドが多く認められ、目的物の検出は困難であった(レーン5)。
<操作条件>
抗体を結合したMagnosphere MS300/Carboxyl : 0.5 mg
サンプル : Jurkat cell lysate 30 μl(100 μg protein)
免疫沈降反応時間 : 60分(4℃)
洗浄 : | 洗浄液[20 mM HEPES(PH7.9)+10 v/v % glycerol+0.5M KCl+0.1% NP-40+0.1 mM EDTA]を0.5 ml用いて3回(各5秒)、さらにTBS-Tで1回 |
溶出 : 0.5% SDSを20 μl加えて室温で10分振盪
検出 : SDS-PAGE後、銀染色
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レーン1: | 分子量マーカー |
レーン2: | Jurkat cell lysate 40 μg protein/lane |
レーン3: | Jurkat cell lysate 4 μg protein/lane |
レーン4: | Magnosphere MS300/Carboxylを担体に用いた免疫沈降産物 |
レーン5: | 他社製磁性粒子を担体に用いた免疫沈降産物 |
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図1. Jurkat cell lysateからの20Sプロテアソーム複合体の免疫沈降例
ELISAアッセイ例は技術情報をご覧ください。 MagnosphereはJSR株式会社のトレードマークです。