Tissue Microarrayとは、様々な臓器の組織切片を1枚のスライドガラス上に複数個整列固定させた製品です。
通常の組織切片同様、抗体染色により目的蛋白質の局在を観察したり、FISH法により染色体上での局在を調べたりと様々な解析が可能です。
また、1枚のスライドガラスに多くの組織切片が搭載されているので、1回の解析で大量の情報を入手することができます。
Tissue Micro Arrayの作製方法
- パラフィン固定した組織から目的の部分をシリンジで繰り抜く。
- 繰り抜いた組織を別のパラフィンブロックに整列させる。
- 組織断片を整列させたパラフィンブロックを薄くスライスする。
- スライスした切片をスライドガラスに定着させる。
provitro社(旧Oligene社)ヒト由来製品の組織入手ガイドライン
ドイツ企業であるprovitro社は、同社の組織アレイ製品製造に使用するヒト組織を、同社の定めた組織入手ガイドラインに基づき、提携病院より、同院倫理委員会の監視・許可の元に入手しています。
同社の組織アレイ製造に使用する組織は患者の手術組織片残余に由来します。ドナーは、治療・診断目的で手術・組織摘出に同意しています。なお、ドイツ国においては、手術によって得られた組織片残余の研究目的への利用に関し、提供患者からの同意取得を必要としておりません。
同社は、ドナーの性別・年齢の情報を入手できますが、人種及びドナー本人を特定する個人情報を知り得ることはできません。
Tissue Microarray の基本操作
本製品はパラフィン固定してあるので、使用時には各染色処理を行う前に、
1) 脱パラフィン処理(37℃~50℃にてO/N処理)
2) 水和処理(キシレン→エタノール→水への置換操作)
が必要となる。
なお、各染色処理に関する詳細は
“各染色方法に関するプロトコール例”を参照。