製品説明
Protein Tyrosine Kinase(PTK)は細胞増殖や分化、癌化を制御しているシグナル伝達経路に含まれる重要な酵素である。本製品はin vitroでProtein Tyrosine Kinase(PTK)活性を定量するためのnon-RI ELISAキットである。広いレンジの PTK特異性をもった単一基質ペプチドを用いているので、種々のPTK活性測定に有用である。
内容
(96回分)
1. 合成ペプチド基質固相化プレート |
1枚(96 well:8 well×12 strips) |
2. Kinase反応用緩衝液 |
11 ml |
3. 40 mM ATP-2Na(凍結乾燥品) |
0.55 ml用×2 |
4. 細胞抽出用緩衝液 |
11 ml |
5. Kinase標準品(凍結乾燥品) |
0.5 ml用 |
6. 抗リン酸化Tyrosine-POD標識抗体 (PY20)(凍結乾燥品) |
5.5 ml用 |
7. ブロッキング用緩衝液 |
11 ml |
8. 発色試薬(TMBZ) |
12 ml |
【注意】本製品は、2010年1月よりStop Solution(1N H
2SO
4)を含まない仕様に変更になりました。別途、洗浄液成分(10×PBS;50 ml×5本、Tween 20;3 ml)と反応停止液をセットにしたWash and Stop Solution for ELISA without Sulfuric Acid(製品コード MK021)を販売していますのでご利用ください。
保存
4℃
特長
- 放射性同位元素を使用しない。
- 低バックグラウンドで、RI法に匹敵する感度を有する。
- 簡便で迅速な検出が可能である。
- 種々のPTKに広いスペクトルを持つ合成ペプチド基質を採用している。
- Protein Ser/Thr Kinaseと交差反応しない。
- 特異抗体との組合せで、特異的PTK活性の測定が可能である。
原理
図 測定原理 測定性能
【特異性】
本キットはATPからのプレート固相化ペプチド基質へのγ-phosphateグループの転移をモニタリングする。使用している抗リン酸化tyrosine抗体は、リン酸化serine / threonineには交差反応しないため、PTK活性を特異的に測定することができ、また、Ser / Thr kinaseによる妨害は認められない。
【感度】
Src kinase活性として2.16×10-5 units/サンプルμl (32 fmol/wellに相当)。
[unit定義:組換え体c-Srcを基準として、1pmolのphosphateを1分間に基質(KVEKIGEGTYGVVYK:p34cdc2の6-20残基)に取り込む活性を1 unitとする。キット内の標準品はc-Src活性としてのunit数で表示している。]
【測定時間】
酵素反応時間にもよるが、通常1.5~3時間。
【基質】
広いレンジの特異性を有する1種類の合成ペプチド基質 (poly(Glu-Tyr))をウェルに固相化している。
【測定範囲】
PTK活性はキットに含まれるPTK標準品の発色吸光度と比較して決定される。本キットの測定範囲は32 fmol~2 pmol/well (2.16×10-5~135×10-5 unit/サンプルμl)。
【サンプル中のphosphoproteinによる妨害】
調製されたPTKサンプル中には当然phosphoproteinが混入している。またPTKの天然型基質も含有されており、反応中にリン酸化される。しかし、これらは次の洗浄工程でwellから排除されるので測定に影響しない。なお、これらphosphoproteinのwellへの非特異的吸着が心配な場合は、市販のNunc プレート(code468667)を対象プレートとして同様な操作を行い、バックグランドをチェックする。
【サンプル中の内因性Protein Thyrosine Phosphatase(PTP)による妨害】
たいていの調製されたPTKサンプル中にはPTPが含まれている。リン酸化された合成ペプチド基質のPTPによる分解を防ぐため、細胞抽出用緩衝液ならびにKinase反応用緩衝液には1mM sodium-orthovanadateならびに50 mM NaFが含有されている。