製品説明
本酵素は反応に鋳型を必要とせず、一本鎖または二本鎖DNAの3’-OH末端にデオキシヌクレオチドを重合する反応を触媒する。プライマーとなるには最低3塩基以上のオリゴデオキシヌクレオチドが必要である。
TdTを用いたホモポリマーの付加反応の条件は、
- 付加する塩基の種類(dATP、dTTP、dCTP、dGTP)
- バッファー中の二価イオンの種類(Mn2+、Co2+、Mg2+)
- 付加されるDNAの末端構造(突出3’-OH末端、平滑末端、陥没3’-OH末端)
等に影響されるため、状況に応じた最適条件を見つけることが必要である。
保存
-20℃
起源
E. coli carrying the plasmid which encodes the gene of terminal
deoxynucleotidyl transferase
濃度
7~15 U/μl
形状
60 mM | リン酸カリウム緩衝液(pH7.2) |
150 mM | KCl |
1 mM | DTT |
50% | グリセロール |
添付Buffer組成(5×)
(Tailing反応用)
500 mM | HEPES(pH7.2) |
40 mM | MgCl2 |
0.5 mM | DTT |
0.1% | BSA[別添付] |
活性の定義
DNase処理後熱変性仔牛胸腺DNA(活性化仔牛胸腺DNA)をイニシエーターとして用い、37℃ pH7.2において、1時間に1 nmolの[3H]dTTPを酸不溶性沈殿物に取り込む酵素活性を1 Uとする。
活性測定用反応液組成
100 mM |
カコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.2) |
8 mM |
MgCl2 |
0.1 mM |
DTT |
0.024% |
BSA |
160 μg/ml |
活性化仔牛胸腺DNA |
0.5 mM |
[3H]dTTP |
品質管理データ
使用上の注意
TdTの反応条件は、付加する塩基の種類(dATP、dTTP、dCTP、dGTP)、バッファー中の二価イオンの種類(Mn
2+、Co
2+、Mg
2+)、および付加されるDNAの末端構造(突出3'-OH末端、平滑末端、陥没3'-OH末端)等に影響され、状況に応じた最適条件を見つけることが必要である。一般に、dATP、dTTPを付加する場合はCo
2+を含むバッファーが、dCTP、dGTPを付加する場合はMn
2+を含むバッファーが最適である。
また15~40 baseのデオキシヌクレオチドを付加する最適条件は、突出3'-OH末端の場合dNTPとDNAのモル比が20:1、陥没3'-OH末端の場合100:1である
4, 5)。
* CoCl
2 Buffer
100 mM | カコジル酸ナトリウム(pH7.2) |
1 mM | CoCl2 |
0.1 mM | DTT |
MnCl
2 Buffer
100 mM | カコジル酸ナトリウム(pH7.2) |
2 mM | MnCl2 |
0.1 mM | DTT |
用途
- 標識dNTPまたはddNTPによるDNAの3’末端標識
- Okayama-Berg法によるベクターcDNAに相補的なホモポリマーの付加
一般的性質
- 分子量
60,000(遺伝子より推定)
- 至適pH
pH7.2
- 補因子
Mg2+、Mn2+、CO2+等の二価イオンのうちいずれかを要求する。
- 阻害剤
多くの陽イオン、陰イオンで阻害される。
- その他
ヌクレオチドアナログ(5-methyl-dCTP、6-O-methyl-dGTP等)も基質となり得る。ジデオキシチミジン3リン酸やコルディセピン3リン酸はターミネーターとなる。