製品説明
本製品は、T7 RNA Polymeraseを用いたin vitro transcription反応により、大量の一本鎖RNAを合成するためのキットである。T7 RNA Polymeraseは、T7プロモーター配列を含む二本鎖DNAを鋳型としてプロモーター下流の配列を転写し、効率よく一本鎖RNAを合成する。例えば、20 ngのControl Template(直鎖状プラスミドDNA)を鋳型として約2 kbのRNAを合成する場合、20 μlの反応系で通常10 μg程度のRNAが得られる。T7プロモーター配列を持つプラスミドを直鎖状にして鋳型として利用できるほか、T7プロモーター配列を付加したPCR産物や合成DNAも鋳型として用いることができる。
また、本製品にはRNase T1が含まれており、in vitro transcription反応によりsiRNAの作製を行うこともできる。本キットを用いてsiRNAを作製するには、まず、T7プロモーター配列を付加したsiRNA配列を有する二本鎖オリゴヌクレオチド(センス鎖用とアンチセンス鎖用の2組)を用いてin vitro transcription反応を行い、一本の反応チューブ中でセンス、アンチセンスのそれぞれのRNAを同時に合成する。反応終了時にセンス鎖とアンチセンス鎖は反応液中でアニーリングしている。次に、RNase free DNase Iによる鋳型の除去およびRNase T1による処理を行った後、siRNAを精製し、RNAi実験に使用する。
内容
(20 μl反応、50回分)
10×Transcription Buffer | 100 μl |
T7 RNA Polymerase | 50 U/μl | 100 μl |
RNase Inhibitor | 40 U/μl | 25 μl |
ATP Solution | 50 mM | 100 μl |
GTP Solution | 50 mM | 100 μl |
CTP Solution | 50 mM | 100 μl |
UTP Solution | 50 mM | 100 μl |
RNase free DNase I | 5 U/μl | 200 μl |
Control Template | 50 ng/μl | 20 μl |
RNase T1 | 100 U/μl | 25 μl |
RNase T1 Dilution Buffer | 700 μl |
RNase Free dH2O | 1 ml |
10×Annealing Buffer* | 500 μl |
* siRNA作製のための2本のオリゴヌクレオチドをアニーリングする際に使用する。
(組成;100 mM Tris-HCl (pH8.0)、500 mM CH
3COOK、10 mM EDTA)
保存
-20℃
siRNA作製の概要
1) T7プロモーター配列を付加したsiRNA配列を有する二本鎖オリゴヌクレオチドを2組作製する。
↓
2) 作製した2組の二本鎖オリゴヌクレオチドを鋳型として一本のチューブ内で
in vitro transcription反応を行い、センス、アンチセンスそれぞれのRNAを同時に合成する。合成されたRNAは二本鎖を形成する。
↓
3) DNase Iによる鋳型オリゴヌクレオチドの除去およびRNase T1による一本鎖RNA部分(GGG)の分解を行う。
↓
4) 3'末端2塩基が突出したsiRNAを精製、回収する。