サイクリングプローブ法は、RNAとDNAからなるキメラプローブとRNase Hの組み合わせによる高感度な検出法で、増幅中や増幅後の遺伝子断片の特定配列を効率良く検出することができる。プローブはRNA部分を挟んで一方が蛍光物質で、もう一方がその蛍光物質の発する蛍光を消光する物質(クエンチャー)で標識されている。このプローブは、インタクトな状態ではクエンチングにより蛍光を発することはないが、増幅産物中の相補的な配列とハイブリッドを形成した後にRNase HによりRNA部分で切断されることにより、強い蛍光を発するようになる。この蛍光強度を測定することで、増幅産物量をモニターすることができる。プローブのRNA部分もしくはRNA部分の1塩基5’側の塩基がミスマッチの場合にはRNase Hによる切断がおこらないことを利用して、1塩基の違いを識別する特異性の高い検出が可能である。