製品説明
Titanium Taq DNA Polymeraseは高感度かつ堅牢なDNAポリメラーゼであり、日常的なあらゆるPCR用途に使用可能である。本酵素は細菌DNA、プラスミドDNA、cDNA、さらには複雑なゲノムDNAをも含むあらゆる鋳型DNAから効率よくターゲット領域を増幅する。なお、Titanium Taq はTaqStart Antibodyが組み込まれたホットスタートPCR酵素であり、ホットスタートによる反応特異性と収量の向上が期待できる(1)。
Titanium Taq DNA PolymeraseはTaq ポリメラーゼのN末端欠失変異体である。この欠失により、5’-エキソヌクレアーゼ活性が取り除かれている(2)。また、本酵素は遺伝子工学的にアミノ酸置換を行って可溶性を高めており、現在利用可能な最も堅牢かつ高感度なPCRポリメラーゼである。
Titanium Taqの主な利点
Titanium
Taq がもたらす高い収量と優れた感度は、主に以下のような点で他のポリメラーゼに勝っている。
・より少ないサイクル数でバックグラウンドの低いターゲット増幅が可能(図1)。
・面倒な反応条件の最適化は不要。Titanium
Taq は広い範囲のマグネシウム濃度を許容する(図2)。
・わずか2分子の増幅ターゲットも検出可能。
・哺乳類ゲノムDNAなど複雑度の高い鋳型から、最大2 kbのDNAフラグメントを増幅可能。中程度の発現量のcDNAや単純な構造のゲノムDNAを標的とする場合は、4 kb程度までのフラグメントを容易に増幅可能である。
図1. Titanium Taq はゲノムDNAからも個々の遺伝子を効率よく増幅
Titanium Taq および2種類の他社製Taq ポリメラーゼを用いて、100 ngのゲノムDNAから異なる長さのヒト心臓β-ミオシン重鎖遺伝子フラグメントを増幅した。反応条件は各酵素の推奨する最適条件を使用している。
レーン1: 0.5 kb レーン2:1 kb レーン3:1.8 kb
レーンM:1 kb DNAサイズラダー
図2. Titanium Taqは幅広いMg2+濃度に対応
Titanium Taqを用いて、仔ウシ胸腺ゲノムDNAの500 bp領域をターゲットとするPCRを行った。反応には各濃度のMgCl2を使用した。本酵素は幅広いMg2+濃度で良好な反応性を示した。
レーンM:DNAサイズマーカー 用途
・ジェノタイピング
・スクリーニング
PCR産物について
Titanium Taq DNA Polymeraseを用いて増幅したPCR産物のほとんどは、3’末端にAが1塩基付加されている。したがって、そのPCR産物をそのままT-Vector[pMD20(製品コード 3270)、pMD19 (Simple)(製品コード 3271)など]にクローニングすることができる。また、末端平滑化およびリン酸化を行って、平滑末端のベクターにクローニングすることも可能である。
備考
Titanium Taq DNA Polymeraseには10× Titanium Taq PCR Bufferを添付。
キットにはTitanium Taq、10× Titanium Taq PCR Buffer、dNTP Mix、コントロール用鋳型とプライマー、PCR-grade H2Oが含まれる。
保存
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