Advantage 2 Polymerase Mixは、鋳型のサイズが大きい場合や、より高い正確性と性能のPCRが必要な実験での使用に適している。Advantage 2は、野生型の
Taqポリメラーゼよりも正確性が3倍高く、非常に用途が広いポリメラーゼミックスで、cDNAをはじめさまざまな鋳型DNAを簡単に増幅できる(図1)。
Advantage 2 Polymerase Mixには、以下の成分が含まれている。
・ | Titanium Taq DNA Polymerase Taqよりも高い収量と感度を有し、TaqStart Antibodyを使用するホットスタートPCRを実現。 反応液の室温調製が可能で、反応特異性も向上する。(1、2) |
・ | 校正用ポリメラーゼ PCRによる増幅サイズの改善(図2)と正確性の向上(3)を目的として、少量の校正用ポリメラーゼが含まれている。 |
Advantage 2 Polymerase Mixは、SMARTer RACE cDNA Amplifcation Kit、SMARTer Pico PCR cDNA Synthesis Kit、Clontech PCR-Select Subtraction KitなどPCRを利用するClontechの各種キットとの併用にも適している。
図1. Advantage 2 Polymerase Mixおよび他社Taqポリメラーゼによる腫瘍壊死因子受容体II(TNFR II)cDNAの増幅
各ポリメラーゼで得られたPCR産物5 μlを用いて、1.1 %アガロース/EtBrゲルで電気泳動を行った。Advanatge 2を用いた場合にのみ0.4 kb TNFR II断片の増幅が認められた。
レーン1:Advantage 2 レーン2:他社Taqポリメラーゼ レーンM:DNAサイズマーカー
図2. Advantage 2 Polymerase Mixによるサイズの大きい各種鋳型からの増幅
以下に示す条件で得られたPCR産物1~3 μlを用いて、1.1%アガロース/EtBrゲルで電気泳動を行った。
レーン1:2.5 kbのE.coli DNAポリメラーゼ遺伝子をゲノムDNAから増幅
レーン2:3.5 kbのウシ膵臓トリプシンインヒビター遺伝子を仔ウシ胸腺のゲノムDNAから増幅
レーン3:5.9 kbのヒトIL-1β遺伝子をヒトゲノムDNAから増幅
レーン4:8.5 kbのヒトティチンcDNAをヒト骨格筋SMART cDNAライブラリーから増幅
レーン5:18.5 kbのλインサートをλクローンから増幅
レーンM:λ-Hind III DNAサイズマーカー 用途
・cDNA増幅
・ライブラリー構築
PCR産物について
Advantage 2 Polymerase Mixを用いて増幅したPCR産物のほとんどは、3’末端にAが1塩基付加されている。したがって、そのPCR産物をそのままT-Vector[pMD20(製品コード 3270)、pMD19 (Simple)(製品コード 3271)など]にクローニングすることができる。また、末端平滑化およびリン酸化を行って、平滑末端のベクターにクローニングすることも可能である。
備考
Advantage 2 Polymerase Mixには10× Advantage 2 PCR Buffer、10× Advantage 2 SA PCR Bufferを添付。
キットにはAdvantage 2 Polymerase Mix、10× Advantage 2 PCR Buffer、10× Advantage 2 SA PCR Buffer、dNTP Mix、コントロール用鋳型とプライマー、PCR-grade H2Oが含まれる。
Advantage 2 SA PCR Bufferは~2 kbの増幅に最適。
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