製品説明
SpeedSTAR HS DNA Polymeaseは、高速PCR用に開発されたホットスタートタイプのDNAポリメラーゼで、至適化されたFast Buffer I または II と組み合わせることで短時間でPCRを行うことができる。
一般的なPCR用のDNAポリメラーゼは、1分/kbを目安に伸長時間を設定するが、本製品では10秒/kbの設定が可能である。良好な反応性を保ちながら、PCRの各ステップ、特に伸長ステップの時間を短縮できるため、短時間でPCR結果を得ることができる。また、抗体を用いたホットスタート用酵素を使用しているため、サイクリング前のミスアニーリングやプライマーダイマーに起因する非特異的増幅を抑えることができ、特異性の高い増幅結果が得られる。
内容
(200回分)
SpeedSTAR HS DNA Polymerase*1 |
5 U/μl |
50 μl |
10×Fast Buffer I(Mg2+ plus)*2 |
10× |
1 ml |
10×Fast Buffer II(Mg2+ plus)*2 |
10× |
1 ml |
dNTP Mixture |
2.5 mM each |
800 μl |
*1【酵素の形状】
20 mM | Tris-HCl緩衝液(pH8.0) |
100 mM | KCl |
0.1 mM | EDTA |
1 mM | DTT |
0.5% | Tween 20 |
0.5% | NP-40 |
50% | Glycerol |
【活性の定義】
活性化サケ精子DNAを鋳型/プライマーとして用い、74℃において、30分間に10 nmolの全ヌクレオチドを酸不溶性沈殿物に取り込む活性を1 Uとする。
*2 Mg
2+ 濃度はFast Buffer Iが30 mM(10×)、Fast Buffer IIが20 mM(10×)です。
保存
-20℃
添付dNTP Mixture*
濃度 |
各2.5 mM |
形状 |
水溶液(ナトリウム塩) pH7~9 |
純度 |
各98%以上 |
* dATP、dCTP、dGTP、dTTPの等モル混合物で、希釈せずにそのままPCR反応に用いることができる。
添付バッファーについて
本製品には2種類のバッファー(10×Fast Buffer I、10×Fast Buffer II)を添付しているので、ターゲットの増幅鎖長に応じて使い分けることを推奨する。増幅鎖長が2 kbまではFast Buffer Iを、2~4 kbは I または II を、4 kb以上ではFast Buffer IIを用いることで、最高のパフォーマンスが得られる。
一般的なPCR反応液組成(Total 50 μl)
10×Fast Buffer I or II |
5 μl |
dNTP Mixture (2.5 mM each) |
4 μl |
Primer 1 |
10~50 pmol |
Primer 2 |
10~50 pmol |
Template |
<500 ng |
SpeedSTAR HS DNA Polymerase (5 U/μl) |
0.25 μl |
滅菌精製水 |
up to 50 μl |
* PCR反応液の調製は室温でも可能です。
ただし、酵素などの各試薬は氷上に置いて使用してください。
PCR条件
(A) 2 step PCRの場合
・増幅鎖長が4 or 6 kb程度まで(Fast Buffer I、IIとも)
95℃ | 5 sec. | 30 cycles |
65℃ | 10 (~20) sec./kbp |
・増幅鎖長が4 or 6 kb以上(Fast Buffer IIを使用)
98℃ | 5 sec. | 30 cycles |
68℃ | 10 (~20) sec. /kbp |
(B) 3 step PCRの場合(Fast Buffer I、IIとも)
98℃ | 5 sec. | 30 cycles |
55℃ | 10~15 sec. |
72℃ | 5~10 sec./kbp |
注) 変性条件は、サーマルサイクラーの使用機種と反応チューブの種類に合わせて設定する。設定の目安は、98℃の場合は5~10 sec.、94℃の場合は20~30 sec.とする。
* 本酵素は2 step PCR、3 step PCRのどちらにも使用可能ですが、高速反応により反応所要時間を短縮するためには、まず、2 step PCRでお試しください。
高速反応例(所要時間の比較)
SpeedSTAR HSおよび
TaKaRa Ex Taq HSを用いた2 step PCRにより、
E. coli ゲノムDNAを鋳型として各サイズのターゲットを増幅した。
【PCR条件】
PCR産物について
SpeedSTAR HS DNA Polymeraseを用いて増幅したPCR産物のほとんどは、3’末端にAが1塩基付加されている。したがって、そのPCR産物をそのままT-Vector[pMD20(製品コード 3270)、pMD19 (Simple)(製品コード 3271)など]にクローニングすることができる。
また、末端平滑化およびリン酸化を行って、平滑末端のベクターにクローニングすることも可能である。
PCR検定
λDNAを鋳型とした高速PCR(増幅産物20 kb)において良好な増幅が見られることを確認している。
純度
●10 Uの本酵素と1 μgのλ-Hind III分解物とを74℃、1時間反応させてもDNAの電気泳動パターンに変化は起こらない。
●10 Uの本酵素と1 μgのsupercoiled pBR322 DNAとを74℃、1時間反応させてもDNAの電気泳動パターンに変化は起こらない。
●10 Uの本酵素と1 μgのλDNAとを74℃、1時間反応させてもDNAの電気泳動パターンに変化は起こらない。
「タカラバイオ PCR Enzymes Guide」では、PCR酵素・関連製品とそのアプリケーションをご紹介しています。
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