Advantage Genomic LA Polymerase MixとAdvantage GC Genomic LA Polymerase Mixは、あらゆる鋳型から長鎖の増幅が可能なPCR酵素である。後者は、一般的なPCR酵素では増幅が難しい高次構造をもつ鋳型やGCリッチな配列の増幅にも威力を発揮する。
優れたブレンド酵素
両製品はAdvantage Genomic LA Polymeraseを使用している。Advantage Genomic LA Polymeraseには、全長タイプの耐熱性Taq DNAポリメラーゼと少量の校正用酵素ならびにホットスタート用の抗体が含まれている。校正用酵素のもつ3’-5’エキソヌクレアーゼ活性により、間違えて取り込まれた塩基が除去され(図1)、引き続き伸長反応が進行し、長鎖DNA断片の増幅が可能となる。Advantage GC Genomic LA Polymerase MixにはClontech独自のGC-Melt Reagentが含まれており、GCリッチ配列の増幅を劇的に改善する。これらのPCR酵素を用いることで、ヒトゲノムDNAを鋳型として30 kbまで(GCリッチな場合は20 kb)、また複雑度の低い鋳型であれば40 kb以上の増幅が可能である。
高収量を実現
この強力な酵素システムでは、バックグラウンドが低く、増幅産物収量が非常に高いPCRが可能である。最適化されたバッファーが添付されており、多くの場合、反応条件の検討なしで使用できる。
図1. 間違って取り込まれた塩基の3’-5’エキソヌクレアーゼ活性による除去
間違った塩基が取り込まれると、それ以降の伸長反応は極端に悪くなる。これを、3’-5’エキソヌクレアーゼ活性により取り除くことで、伸長反応は再開してスムーズに進行し、結果として長鎖DNAの増幅が可能となる。 反応特異性の向上
ホットスタート用の抗体を組み込むことで、室温ではポリメラーゼ活性は阻害され、ホットスタートPCRを行うことができる。抗体は、PCRサイクルの最初のステップで変性し、100%の酵素活性が速やかに回復する。ホットスタート抗体の使用により、サイクリング前のミスアニーリングに起因する非特異的な増幅やプライマーダイマーの形成が抑制され、PCRの増幅効率や反応特異性が顕著に改善される。
なお、これらの酵素で増幅したPCR産物は、ほとんどが3’-Aオーバーハングをもつため、TA-ベクターへのクローニングが可能である。
内容
Advantage Genomic LA Polymerase Mix
(製品コード 639152)
・Advantage Genomic LA Polymerase
・10× Advantage Genomic LA Buffer (Mg2+)
Advantage GC Genomic LA Polymerase Mix
(製品コード 639153)
・Advantage GC Genomic LA Polymerase
・2× Advantage GC-Melt Buffer
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