Adeno-X GoStixは、迅速にアデノウイルス力価を確認することができる簡易力価判定キットである。ウイルス培養上清20 μlをGoStixに滴下した後、Chase Bufferを4滴滴下するだけの簡単な操作により、30秒~20分後にウイルス力価を判定できる。高力価のアデノウイルスが得られている場合、本体の窓部分に明瞭なバンドが確認できる。アデノウイルス調製操作の成否を簡単に判定でき、手間や時間を低減できる。結果として、高力価のウイルス上清を得るための最適なウイルス回収タイミングを判断できる。
図1. Adeno-X GoStixを用いたアデノウイルス力価の判定例
パネルA | Adeno-X GoStixの操作手順。20 μlの培養上清をGoStixに滴下した後、Chase Buffer 2を4滴滴下して30秒~20分間待つ。充分なウイルス粒子が得られていればテスト(T)バンドに明瞭なラインが現れる。 |
パネルB | Adeno-X GoStixの使用例。Pac I消化したZsGreen1発現アデノウイルスをHEK 293細胞にトランスフェクトしウイルス産生を行った。トランスフェクションから0日後(Day 0)と4日後(Day 4)に細胞変性効果を位相差顕微鏡と蛍光顕微鏡により観察した。培養上清20 μlを取り Adeno-X GoStixでの力価判定を行った。Day 4の細胞において、位相差顕微鏡および蛍光顕微鏡による観察では、プラークの割合が少ない場合でも、Adeno-X GoStixは培養上清からウイルスを検出することが可能であった。 |