製品説明
Retro-X Integration Site Analysis Kitはレトロウイルスベクターが宿主細胞ゲノムDNAにプロウイルスとして組込まれた挿入部位をGenomeWalker技術により正確に決定するためのキットである。レトロウイルスの生活環において、RNAゲノムはDNAへと逆転写され、宿主ゲノムに挿入される。ウイルスDNAは宿主ゲノムに対してランダムに挿入されるため、内因性遺伝子の発現や目的遺伝子の発現に影響を与える場合がある。そのため、ウイルス挿入部位の決定は遺伝子発現や宿主細胞の表現型への影響を調べる上で重要である。本キットにより同定したウイルス挿入部位を含むDNA断片をシーケンス解析などに供することができる。
GenomeWalker法の操作概要
- 形質導入細胞より得られたゲノムDNAを、平滑末端を生じる制限酵素(3種類)により切断
- GenomeWalker adaptorを平滑末端化ゲノムDNA断片に結合
- 一次PCRにより、adaptor配列とレトロウイルスDNA配列を含む断片を増幅
- 二次“nested PCR”により、明確なシングルバンドの増幅。得られた増幅産物のシーケンス解析により挿入部位を確定
- ウイルス挿入部位が複数存在する場合、PCRの複数バンドが検出される。各バンドを個別に精製後、シーケンス解析を行う。
Retro-X Integration Site Analysis Kitのフローチャート
プロトコールの主な段階は、3種類のウイルス挿入ライブラリーの構築、ライブラリーからのゲノムDNA増幅、PCR産物解析である。アガロースゲル電気泳動の例を示す。
Lane 1:
Hpa I Library
Lane 2:
Dra I Library
Lane 3:
Ssp I Library
Lane 4:No template Control
Lane M:DNAサイズマーカー
AP:Adaptor Primer
RSP:Retrovirus-specific primer
本キットには3種類のウイルス導入細胞クローンを解析するために必要な全ての試薬、コントロールおよびプロウイルス挿入部位を増幅するためのPCR試薬を含む:
- NucleoSpin Tissue(ウイルス導入細胞より高純度ゲノムDNAの精製)
- 3種類の平滑末端制限酵素、リガーゼ、GenomeWalker adaptor、PCR Primer
- Advantage 2 PCR Kit(ゲノムDNAからの長鎖DNA断片の増幅)
- NucleoSpin Gel and PCR Clean-up(PCR増幅DNA断片の精製)
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レンチウイルス用(製品コード 631263)はこちら 内容
Retro-X Integration Site Analysis Kit(製品コード 631467)
- Dra I
- 10×Dra I Restriction Buffer
- Ssp I
- 10×Ssp I Restriction Buffer
- Hpa I
- 10×Hpa I Restriction Buffer
- Control Human Genomic DNA(Retrovirus; 0.1 μg/μl)
- T4 DNA Ligase
- 10×Ligation Buffer
- GenomeWalker Adaptor
- Adaptor Primer 1
- Nested Adaptor Primer 2
- Retrovirus Specific Primer 1
- Nested Retrovirus Specific Primer 2
- NucleoSpin Tissue(製品コード740952.10)
- NucleoSpin Gel and PCR Clean-up(製品コード 740609.50)
- Advantage 2 PCR Kit(製品コード 639207)
保存
-20℃
NucleoSpin Tissue(製品コード 740952.10)およびNucleoSpin Gel and PCR Clean-up(製品コード 740609.50):室温
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