SYBR™ Greenシリーズ

SYBR Green Iはアガロースゲルやポリアクリルアミドゲルで核酸を高感度に検出可能な染色用試薬である。
本製品は254 nmトランスイルミネーターを用いた場合で20 pg以下、300 nmの標準トランスイルミネーターを用いた場合でも60 pgのdouble-stranded DNA（dsDNA；二本鎖DNA）の検出が可能であり、エチジウムブロマイドで染色した時よりも25～100倍もの高い感度を示す。
アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲルどちらでもすばやく浸透して、DNAとの結合により大きな蛍光強度の増強を示すため、短時間で染色可能である。また、脱色操作も必要がないため実験時間の節約をはかることができる。

SYBR Green IIはアガロースゲルやポリアクリルアミドゲルでRNAあるいは一本鎖DNAを高感度に検出可能な染色用試薬である。
本製品は254 nmトランスイルミネーターを用いた場合で1 ng以下、300 nmの標準トランスイルミネーターを用いた場合でも2 ngのRNAの検出が可能であり、エチジウムブロマイドで染色した時の2～3倍の感度を示す。また、洗浄、脱色操作を行う必要がないため、実験時間の節約をはかることができる。
特に、SSCP分析のように高い感度が要求される実験において、従来は放射性プローブを用いての分析が主流であったが、非放射性のSSCP分析も開発されてきており、本試薬を用いることでより高い感度の検出が可能である。
なお、アガロース／ホルムアルデヒドゲルやポリアクリルアミド／尿素ゲルなど変性ゲルを用いた場合はSYBR Green IIの感度もいくぶん減少するが（254 nmで20 ng、300 nmで40 ngのRNAを検出可能）、エチジウムブロマイドより優れた感度を示す。

SYBR Green I Nucleic Acid Gel Stain	1 ml（製品コード 5760A）
SYBR Green I Nucleic Acid Gel Stain	50 μl×10（製品コード 5761A）
SYBR Green II Nucleic Acid Gel Stain	1 ml（製品コード 5770A）
SYBR Green II Nucleic Acid Gel Stain	50 μl×10（製品コード 5771A）

1 mlの試薬から10 Lの染色溶液を調製できる。10 Lの染色溶液で100枚以上のミニゲルの染色が可能である。

SYBR Greenの励起・蛍光波長

	蛍光波長（nm）	励起波長（nm）	蛍光量子収量
SYBR Green I	521	494（2nd peak 284 nm，382nm）	DNA/SYBR Green I複合体：～0.8
SYBR Green II	520	497（2nd peak 254 nm）	RNA/SYBR Green II複合体：～0.54

Ethidium Bromideとの比較
SYBR Green Iの場合

	SYBR Green I	Ethidium Bromide
染色	30分	30分
脱染色	なし	30分
dsDNA検出感度 （300 nmにて励起）	60 pg	0.5～2 ng
dsDNA検出感度 （254 nmにて励起）	20 pg	0.2～1 ng
検出Filter	SYBR Filter	Kodak Red

SYBR Green IIの場合

	SYBR Green II	Ethidium Bromide
染色	30分	30分
脱染色	なし	30分
検出感度　　　　　　　　　　　　Denaturing gel （300 nmにて励起）　　　Non-denaturing gel	40～80 ng 　　2～4 ng	100～200 ng 　　5～10 ng
検出感度　　　　　　　　　　　　Denaturing gel （254 nmにて励起）　　　Non-denaturing gel	20～40 ng 　　1～2 ng
検出Filter	SYBR Filter	Kodak Red

製品状態（10,000×，in DMSO）：遮光した状態で－20℃にて保存
Bufferで希釈して調製した染色溶液：遮光した状態で室温または4℃にてpolypropylene製の容器に保存（24時間は安定）

SYBR Green Iは、核酸と結合する性質上、変異原性の可能性のあるものとして取り扱うこと。また、DMSOにより組織中に色素が浸透する恐れがある。使用に際しては、必ず手袋を着用する。

SYBRはLife Technologies Corporationの商標です。