本製品シリーズを用いたオミクロン株(B.1.1.529+BA.*系統)の検出について

弊社の新型コロナウイルス変異検出用試薬を用いたオミクロン株(B.1.1.529+BA.*系統)の検出について、現在得られている情報を参照した見解は以下のとおりです。

■L452R変異検出用試薬

弊社のL452R変異検出用試薬は、L452R変異株の陰性試験に使用可能であると考えられます。

  • Primer/Probe L452R (SARS-CoV-2) Ver.2(製品コード RC346A)
    人工合成遺伝子(オミクロン株*1 S遺伝子配列)を用いた検証結果
    FAM
    (Wild検出系)
    Cy5
    (L452R検出系)
    検出不検出
    本製品のターゲット領域内に、ほとんどのオミクロン株でみられるS遺伝子変異*2が存在しプライマー配列でミスマッチが起きるものの、
    人工合成遺伝子を用いた検証では、FAM(Wild検出系)は「検出」およびCy5(L452R検出系)は「不検出」となることを確認しました。
    なお、FAM(Wild検出系)では、野生型株の配列に比べCt値にやや遅れが生じました。

  • Primer/Probe L452R/L452Q (SARS-CoV-2)(製品コード RC343A)
    人工合成遺伝子(オミクロン株*1 S遺伝子配列)を用いた検証結果
    FAM
    (Wild検出系)
    HEX
    (L452Q検出系)
    Cy5
    (L452R検出系)
    検出不検出不検出
    本製品のプライマーおよびWild検出系プローブ領域には、オミクロン株とのミスマッチは存在しません。

■N501Y変異検出用試薬

弊社のN501Y変異検出用試薬では、オミクロン株*1のN501Y変異について「不検出」となることを確認しました。
そのため、当該試薬はオミクロン株の検出にはご利用いただけません。


  • Primer/Probe N501Y (SARS-CoV-2)(製品コード RC344A)
    人工合成遺伝子(オミクロン株*1 S遺伝子配列)を用いた検証結果
    FAM
    (Wild検出系)
    Cy5
    (N501Y検出系)
    不検出不検出
    本製品のターゲット領域内に、ほとんどのオミクロン株でみられるS遺伝子変異*2が存在し、プライマー配列およびN501Yプローブでミスマッチが起きます。

■T478K変異検出用試薬

弊社のT478K変異検出用試薬でオミクロン株*1のT478K変異を検出した場合、蛍光値が低下します。
そのため、当該試薬をオミクロン株の検出にご利用いただくことはお勧めいたしません。


  • Primer/Probe T478K (SARS-CoV-2)(製品コード RC347A)
    人工合成遺伝子(オミクロン株*1 S遺伝子配列)を用いた検証結果
    FAM
    (Wild検出系)
    Cy5
    (T478K検出系)
    不検出検出(ただし、蛍光値が低下)
    本製品のターゲット領域内に、ほとんどのオミクロン株でみられるS遺伝子変異*2が存在しプローブ配列でミスマッチが起きるものの、
    人工合成遺伝子を用いた検証では、FAM(Wild検出系)は「不検出」およびCy5(T478K検出系)は「検出」となることを確認しました。
    ただし、Cy5(T478K検出系)では、デルタ株の配列に比べ蛍光値が約1/5に低下しました。

■P681H変異検出用試薬

弊社のP681H変異検出用試薬では、オミクロン株*1のP681H変異について「不検出」となることを確認しました。
そのため、当該試薬はオミクロン株の検出にはご利用いただけません。


  • Primer/Probe P681R/P681H (SARS-CoV-2)(製品コード RC321A)
    人工合成遺伝子(オミクロン株*1 S遺伝子配列)を用いた検証結果
    FAM
    (Wild検出系)
    HEX
    (P681R検出系)
    Cy5
    (P681H検出系)
    不検出不検出不検出
    本製品のターゲット領域内に、ほとんどのオミクロン株でみられるS遺伝子変異*2が存在し、P681Hプローブでミスマッチが起きます。

■ins214EPE変異検出用試薬

弊社のins214EPE変異検出用試薬でオミクロン株BA.2*3を検出した場合、「ins214EPE変異なし(Wild Type)」となることを確認しました。

  • Primer/Probe ins214EPE (SARS-CoV-2)(製品コード RC324A)
    人工合成遺伝子(オミクロン株BA.2*3 S遺伝子配列)を用いた検証結果
    FAM
    (Wild検出系)
    Cy5
    (ins214EPE検出系)
    検出(ただし、蛍光値が低下)不検出
    Wild検出用プローブ配列でミスマッチが起きるものの、人工合成遺伝子を用いた検証では、FAM(Wild検出系)は「検出」およびCy5(ins214EPE検出系)は「不検出」となることを確認しました。
    ただし、FAM(Wild検出系)では、野生型株の配列に比べ蛍光値が約1/3に低下しました。

新型コロナウイルス変異型検出用試薬および各変異株での検出

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新型コロナウイルス変異型検出用試薬および各変異株での検出

表の見方
  • 各セルの色により検出可否を示します。
    FAMフィルターで検出Cy5フィルターで検出
    HEXフィルターで検出不検出

  • 太字:人工合成RNAを用いた反応で確認済み、もしくは配列情報からプライマー/プローブ配列とのミスマッチがないことを確認しています。
    細字:配列情報からの推測を示します。

*1 GISAID Accession ID: EPI_ISL_6913953.2
*2 2021年12月15日時点のGISAID登録配列情報での調査に基づいています。
*3 GISAID Accession ID: EPI_ISL_8559646
*4 2022年9月28日時点で報告されている主な変異株および変異を記載しています。記載の変異は、対応する代表的なGISAID Accession IDでの配列を参照し抽出したものです。なお、変異および変異株についての情報は新しい知見が示されるごとに更新されていますので、最新の情報は厚生労働省、国立感染症研究所、WHOなどのウェブサイトでご確認ください(変異株の確定には、ゲノム配列解析が必要とされています)。
*5 人工合成RNAでの検証結果では、野生型株の配列に比べCt値にやや遅れが生じました。
*6 人工合成RNAでの検証結果では、デルタ株の配列に比べ蛍光値が約1/5に低下しました。
*7 プライマー配列内にミスマッチが存在するため、検出感度が低下する可能性があります。
*8 人工合成RNAでの検証結果では、野生型株の配列に比べ蛍光値が約1/3に低下しました。
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