Shastaシステムは、革新的なナノディスペンシング技術を採用し、より高精度で堅牢なシステムを実現しました。さらに、新しいサンプルバーコーディングフローにより、最大10万個の細胞をシングルセル解析することができます。ナノディスペンシング技術を使用した細胞の取得では、マイクロ流路タイプの手法と比較して、より広範囲な細胞サイズのサンプルの解析が可能です。Shastaシステムのテクノロジーにより、スプライシングアイソフォーム、遺伝子融合、染色体アームレベルのCNVなどのイベントを、これまで以上に多くの細胞で検出することができるようになりました。
最先端のナノディスペンシング技術と蛍光イメージング機構に合わせて、タカラバイオのNGSライブラリー前処理ケミストリーと包括的なデータ解析のためのバイオインフォマティクスツールを組み合わせたソリューションを提供します。また、 オープンシステムであるため、既存のアプリケーションを使用するだけでなく、独自のアプリケーションを開発することも可能です。
イメージングにより生きたシングルセルを自動判別
ナノウェルチップへの細胞分注後、システム本体に内蔵された蛍光顕微鏡により全5,184ウェルの画像を取得します。核を染色するHoechst(青色蛍光)と死細胞を染色するPI(Propidium Iodide、赤色蛍光)を用いて細胞を予め染色しておくことで、専用のCellSelectソフトウェアにより画像を解析し、生きたシングルセルを含むウェルのみを自動判別します。選択したウェルのみにRT試薬を分注し、後の反応に進むことができるため、シングルセル解析で問題となるダブレットや空ウェル、死細胞を判別し、シーケンスを行う前に解析から排除することができます
* 。また、サンプル処理中の細胞懸濁液やチップ上の反応液の蒸発を防止するため、システムには加湿機能が搭載されています。
* Shasta Total RNA-Seq Kitでは、固定した細胞を用いるため、生細胞の選択は行われません。
心筋細胞などのサイズの大きな細胞のシングルセル化も可能
5~100 μmのさまざまな大きさの細胞に対応しており、心筋細胞などのサイズの大きな細胞のシングルセル化も可能にします。
<実施例>ナノウェル内でシングルセル化されたマウス成体由来の心筋細胞(約100 μm)
細胞はHoechstおよびCellTracker Redで染色。
※データご提供 : マックス・プランク研究所 Stefan Günther博士
ゴールドスタンダードのPicoPLEX技術を用いたWGAキット。プレートベースのアッセイを大幅に上回る最大1,500 細胞/runのハイスループット解析を実現
1回の反応で5,000~100,000細胞から全長RNA-Seqライブラリーを調製し、non-coding RNAを含む全長転写産物のシングルセル解析を実現
単離した単一細胞由来のmRNA転写産物の全長配列情報から全長トランスクリプトームを解析を実施