製品説明
Pfu N-acetyl Deblocking Aminopeptidase(Ac-DAP)はタンパク質やペプチドのミリスチル基等を含むN末端修飾アシル基およびそれに続くアミノ酸を順次遊離する酵素である。幅広い基質特異性を有し、N末端が修飾されているために今まで解析が困難であった微量タンパク質のN末端あるいはN末端近傍のアミノ酸配列を容易に解析することができる。
本酵素は遺伝子工学的手法によりDAPのN末端にアセチル基を導入しているため、通常のエドマン法では本酵素のアミノ酸配列は解析されない。したがって、本酵素を酵素/基質比(E/S比)=1/2~1/1のような比率で用いても、目的とするタンパク質やペプチドの配列のみをプロテインシーケンサーで明瞭かつ簡便に解析することができる。
保存
-20℃
解凍後は4℃にて保存することが望ましい。
酵素、添付Bufferは解凍後、4℃で少なくとも3ヵ月は安定。
由来
Pyrococcus furiosus由来のDAPを遺伝子組換え技術により酵母で生産
反応
タンパク質、ペプチドのN末端からexo型にアシル型N末端修飾基、およびそれに続くアミノ酸を順次遊離する。ただし、X-Pro結合は加水分解しない。Co2+イオンにより顕著に活性化する。
活性の定義
75℃、pH8.0で1分間に1μmolのleucine-p-nitroanilideを分解する酵素量を1 Uとする。
比活性
>8 U/mg protein
品質管理データ
形状
50 mM N-エチルモルホリン-酢酸緩衝液(pH8.0)に溶解後、凍結(濃度:1 mg/ml)
添付Buffer組成(5×)
0.5 mM CoCl2を含む250 mM N-エチルモルホリン-酢酸緩衝液(pH8.0);1 ml
使用上の注意
本酵素は高次構造を保ったタンパク質には作用しないので、試料タンパク質は必ずCM化など化学的手法で変性させる必要がある。また、本酵素はPVDF膜上のタンパク質には作用しない。
一般的性質
分子量 |
38,639(質量分析法) |
約451,000(沈降平衡法) |
阻害剤 | Amastatin, EDTA |
至適pH | 6.5~9.0 |
至適温度 | 85~95℃ |
温度安定性 |
50℃、48時間後、100%活性保持 [0.1 mM CoCl2を含む50 mM NEM*緩衝液(pH 8.0)中] |
変性剤耐性 |
0.1% SDS存在下、50℃、24時間後、90%活性保持 [0.1 mM CoCl2を含む50 mM NEM * 緩衝液(pH 8.0)] |
活性化因子 | CoCl2(約10倍) |
N末端アミノ酸配列 |
Ac-MDDYELLKKVVEADGV… |