製品説明
ラミニン(LN)は基底膜を構成する細胞接着性糖タンパク質である。種々の培養細胞から分泌され、その機能は細胞分化、増殖、癌の転移、神経の伸長等に深く関与している。
本キットは、特異的なモノクローナル抗体を用いて、ヒトLNの量を測定するためのEIAキットで、血中のみならず、尿中のラミニンフラグメントの検出が可能である。プレートにあらかじめ抗体を固定化したプレコートタイプであり、簡便な操作で96アッセイを約2時間30分で完了できる。
内容
(96回分)
1. |
抗ヒトLNモノクローナル抗体プレート |
1枚(96 well:8 well×12 strips) |
2. |
ペルオキシダーゼ標識抗Laminin抗体(凍結乾燥品) |
11 ml用 |
3. |
標準品(ヒトLaminin;凍結乾燥品) |
1 ml用 |
4. |
検体希釈液 |
11 ml×2 |
5. |
基質液(TMBZ:3, 3', 5, 5'テトラメチルベンジジン) |
12 ml |
【注意】本製品は、2010年1月よりStop Solution(1N H
2SO
4)を含まない仕様に変更になりました。別途、洗浄液成分(10×PBS;50 ml×5本、Tween 20;3 ml)と反応停止液をセットにしたWash and Stop Solution for ELISA without Sulfuric Acid(製品コード MK021)を販売していますのでご利用ください。
保存
4℃
原理
プレコートタイプ2ステップ・サンドイッチEIA法
性能
測定範囲 | : | 5~320 ng/ml |
検出感度 | : | 5.0 ng/ml |
特異性 | : | ヒトLNに特異的 |
交差反応性 | : | ウサギ |
測定時間 | : | 測定操作 2時間30分 |
検 体 | : | 細胞培養上清、細胞抽出液、血清、血漿、尿 検体量として100 μl/assay wellが必要 |
Lamininについて
ラミニンは基底膜を構成する高分子糖タンパク質で、その生理活性は細胞接着、伸展、細胞間信号伝達、正常細胞および癌細胞の増殖、細胞分化誘導、癌細胞転移など、多くの細胞機能に関与している。ラミニンは、3つの異なるサブユニットからなり、それぞれがジスルフィド結合で結ばれた構造をしており、また十字架構造をとっていることが電子顕微鏡で観察されている。各ラミニン鎖の名称は1994年にBurgesonらにより新命名法が提案され、A鎖はα1鎖、B1鎖はβ1鎖、B2鎖はγ1鎖と呼ばれている。α鎖で5種類、β鎖で3種類、γ鎖で2種類のタイプが同定され、それらの組み合わせから、すでに11種類のラミニンが見出されている。これらラミニンはコラーゲンやヘパリン、プロテオグリカン、その他の成分と結合しあって、基底膜構造を形成している。ラミニンは種々の培養細胞より産生されることがわかってきたが、特に浸潤性の高い癌細胞からラミニンレセプターが単離されたことから1)、癌細胞の転移成立のためには基底膜ラミニンへの接着が第一の転移ステップであると考えられた。転移が進行すると基底膜の破壊が起こり、血中にラミニンが放出されることから、疾患による基底膜の分解の程度を示唆するマーカーとしてラミニンが注目され始めた。その後、血中のみならずフラグメント化したラミニンが尿中に排出されていることが見出され2)、より高感度な測定系が求められるようになった。