製品説明
大腸菌等の微生物中で組換えタンパク質を発現させた場合、活性をもった可溶性のタンパク質が生成するとは限らず、細胞内に不溶化した封入体(inclusion body)が蓄積することがしばしばある。このような場合、タンパク質の活性を回復させるために、尿素やグアニジンのような変性剤で封入体をアンフォールディングした後、透析あるいは希釈により変性剤を除去し、リフォールディング(再生)させる方法が一般的に用いられている。
この一般的な方法では、リフォールディングさせるために手間と時間がかかり、リフォールディング効率が悪い場合が多いことが指摘されていた。近年、リフォールディング操作を2段階に分け、各々の段階に適した2種類の化合物を使用することにより、リフォールディング効率を上げる方法が報告された。
Refolding CA Kitは、この2段階操作を行うことで、封入体を形成した組換えタンパク質を効率よくリフォールディングする条件を検討するためのキットである。4種類の界面活性剤と高重合度シクロアミロース(以下CAと略す)の組合せによってリフォールディング条件を検討することができる。
Refolding CA Large Kitは、Refolding CA Kitで条件検討を行った後、スケールアップしてリフォールディング操作を行う場合に利用できる。
また、Cycloamylose Protein Refolding Reagentは、Refolding CA Kitで条件検討を行った後、スケールアップしてリフォールディング操作を行う場合などに利用できる高重合度シクロアミロース粉末である。
内容
製品コード 7350(25サンプル用) |
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8 M 塩酸グアニジン |
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1 ml×2 |
4 M ジチオスレイトール(DTT) |
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50 μl |
1% Tween 40 |
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1 ml×2 |
1% Tween 60 |
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1 ml×2 |
1% CTAB |
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1 ml×2 |
1% SB3-14 |
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1 ml×2 |
200 mM DL-Cystine |
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0.75 ml×2 |
3% シクロアミロース(CA) |
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1.6 ml×7 |
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製品コード 7351 |
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3% シクロアミロース(CA) |
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20 ml×6 |
8 M 塩酸グアニジン |
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10 ml×2 |
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保存
# 7350、7351:-20℃
# 7352、7353:室温(溶解後は-20℃)
特長
- 本キットで用いるCAは、シクロデキストリンよりも優れたリフォールディング能を示すことが報告されている。
- Refolding CA Kitは、1キットで25サンプルのリフォールディング条件を検討することができる。
- 界面活性剤およびCAは、50回の凍結融解にも安定である(ただし、CA溶液に微生物やアミラーゼが混入すると開環してリフォールディング能が低下するのでご注意ください)。
- すべての操作を1.5 mlのマイクロチューブで行うことができるため、簡便かつ迅速に条件検討を行うことができる。
原理
界面活性剤をタンパク質の変性溶液中に添加することにより、変性剤の濃度を希釈すると共に、タンパク質分子同士の凝集を防ぐ。ついでCAを添加し、その包接能を利用してタンパク質-界面活性剤複合体から界面活性剤を除くことによって、タンパク質を、活性を有する正しい高次構造にリフォールディングさせる。
関連資料