製品説明
本製品は、FLT3(FMS-like tyrosine kinase 3)遺伝子のJM(Juxtamembrane)領域周辺に起こるInternal Tandem Duplication(ITD)変異の有無を検出するためのセットである。FLT3遺伝子のITD変異は、急性骨髄性白血病(AML)の約1/3の症例および骨髄異形性症候群(MDS)の約3%の症例に認められることが報告されている。その変異はJM領域のexon11に集中し、その他intron11やexon12にも認められている。本製品のプライマーは、exon11からexon12の全領域を増幅できるようにデザインされており、ITD変異をもれなく検出することができる。骨髄液または血液から得られたゲノムDNAを検体としてPCR法で増幅し、電気泳動法またはアジレント2100バイオアナライザ(Agilent Technologies社)で増幅産物の長さを判定する。ゲノムDNA中に5~10%のITD変異が存在すれば変異を検出することができる。また、本製品には正常および変異コントロールが含まれており、解析精度の確認を行うことができる。
AMLにおいて、この変異を有する症例は治療抵抗性であり難治性であることが報告されている。現在、FLT3のキナーゼ活性を特異的に阻害する分子標的薬の開発が進められており、本製品はこれら分子標的薬の研究開発に有用な試薬である。
なお、本セット中にはPCRに必要なDNA Polymerase、dNTP Mixtureは含まれていない。本セットはTaKaRa Ex Taq(dNTP Mixture、10×Ex Taq Buffer添付)との組み合わせにより良好な結果が得られる。
内容
(50回分)
FLT3/ITD-1 Primer | 10 pmol/μl | 50 μl |
FLT3/ITD-2 Primer | 10 pmol/μl | 50 μl |
Control Template (Mutant) | 1 pg/μl | 10 μl |
Control Template (Normal) | 1 pg/μl | 10 μl |
保存
-20℃
増幅断片サイズ
Control Template (Normal) |
329 bp |
Control Template (Mutant) |
359 bp |
正常検体 |
329 bp |
ITD変異検体 |
329 bp (正常) と347~419 bp (ITD変異) * |
* ITD変異検体では通常、正常とITD変異の2バンドが検出されるが、検体によってはITD変異のみが検出される場合がある。