製品説明
本製品はDNA、RNAなどの核酸のエタノール沈殿用に調製された共沈剤である。共沈剤として一般的に用いられるグリコーゲンに比べて低濃度の核酸溶液からの回収率が高く、5 pg/μlの核酸溶液から核酸を回収することができる。
また、エタノール沈殿を行う際に低温で保持する必要がなく、エタノール添加後すぐに遠心操作を行うことができる。
本製品を添加してエタノール沈殿を行うと白色の沈殿が生じ、容易に目で確認することが可能である。微量のサンプルでも目に見えるので、沈殿の洗浄操作も安心して行うことができ、操作中にサンプルを損失することがない。さらに、各種酵素反応を阻害しないため、回収後の核酸はそのまま、PCR、制限酵素消化、逆転写反応、ライゲーション、形質転換、蛍光シーケンシングなど、様々なアプリケーションに用いることができる。
内容
Precipitation Carrier | 800 μl |
3 M Sodium Acetate (pH5.2) | 1 ml×2 |
保存
室温
純度
DNase free, RNase freeであることを確認している。
用途
- 核酸(DNA, RNA)のエタノール沈殿の際に、キャリアとして使用
使用方法
- 核酸(DNAまたはRNA)溶液*1に1/10量の 3M Sodium Acetate(pH5.2)を加え混合する。
- 4 μlのGenとるくんエタ沈キャリアを加え混合する*2。
- 2.5倍量のエタノールを加え十分混合する。
- 12,000 rpm、4℃で15分間遠心する。
- 白色の沈殿を残して、上清を除く。
- 70%エタノールを加える。
- 12,000 rpm 、4℃で5分間遠心する。
- 白色の沈殿を残して上清を除き、乾燥する。
- 適当量の滅菌精製水または TEバッファーに溶解する。
*1 核酸溶液の濃度が5 pg/μlから100 ng/μlの範囲で使用可能。
*2 核酸溶液が400 μl以下の場合は、Genとるくんエタ沈キャリアを4 μl使用する。400 μl以上の場合は、核酸溶液100 μlに対して1 μl使用する。
使用上の注意
- Genとるくんエタ沈キャリアを加えた後は低温で冷却する必要はありません。低温に放置すると回収率が落ちる場合がありますので、添加後はすぐに遠心して下さい。
- 一度本製品を加えて回収した核酸の溶液について、再度エタノール沈殿を行う際には、さらに本製品を加えることは避けて下さい。沈殿溶解時溶液の粘度が増して、溶解が困難になる場合があります。
- 核酸の濃度が十分高いと予想される場合(0.3 μg/μl以上)、本製品の使用はお勧めしません。かえって収量が低下することがあります。
- 核酸濃度10 pg/μl以下の場合は、回収率が低下することがあります。
- イソプロパノール沈澱にも使用できますが、エタノール沈澱に使用する場合に比べて沈澱がやや透明になりますので、確認には注意が必要です。