セレウリド産生性セレウス菌の検出
製品説明
Bacillus cereusは環境細菌の一つであり、土壌、空気および河川水等の自然環境、そして農作物などの食料、飼料等に広く分布する芽胞形成桿菌である。この芽胞は高熱にも耐え、富栄養環境で発芽して栄養型となって増殖し、毒素を産生する。食中毒にかかわる毒素には嘔吐毒素（セレウリド）と下痢原性毒素（エンテロトキシン）の2種類がある。セレウリドは熱に強いため、セレウリド産生性のセレウス菌が食品に大量に付着していると、加熱しても食中毒を引き起こす。
セレウリドは従来、バイオアッセイやLC-MSによって検出されてきたが、操作が煩雑で時間がかかるため、より簡便で迅速なセレウリド産生性セレウス菌の特異的検出法の開発が望まれていた。
名古屋大学医学部と名古屋市衛生研究所による研究で、セレウリド非産生株はセレウリド合成酵素 (CRS) 遺伝子の一部を欠落していることが明らかとなり、この欠落部分の配列がシーケンス解析により同定された。この欠落部分の配列に基づいて設計されたプライマーを用いてこの領域のPCRを行い、増幅産物が検出できれば、セレウリド産生株であると判断できる。日本で実際に発生したセレウス菌による嘔吐型食中毒の臨床株を無作為に100株選び、この方法で検査したところ、100％の確率でPCR産物が検出され、これらがセレウリド産生株であることが確認できた。また、セレウリド非産生株ではPCR産物は検出されなかった。このことからも、セレウリド産生株を特異的に検出できていることが示された。
本製品は、分離培養培地から得られたセレウス菌およびその類似菌（例：B. thuringiensis, B. anthracisなど）とセレウリド産生性セレウス菌を迅速かつ確実に検出するためのPCR検出キットである。セレウス菌およびその類似菌を検出するためにレシチナーゼ遺伝子を、また、セレウリド産生性セレウス菌を検出するためにセレウリド合成酵素 (CRS) 遺伝子を、一本のチューブで同時に増幅し、アガロースゲル電気泳動により検出確認を行う。増幅には、Hot Start PCR用酵素、TaKaRa Ex Taq HSを使用しているので、ミスプライミングやプライマーダイマーに由来する非特異的増幅を防ぐことができ、高感度の検出が可能である。また、インターナルコントロールを同時に増幅するため、偽陰性の判定が可能である。
このキットの開発には、名古屋市衛生研究所 安形則雄先生にご協力いただきました。
セレウリドは従来、バイオアッセイやLC-MSによって検出されてきたが、操作が煩雑で時間がかかるため、より簡便で迅速なセレウリド産生性セレウス菌の特異的検出法の開発が望まれていた。
名古屋大学医学部と名古屋市衛生研究所による研究で、セレウリド非産生株はセレウリド合成酵素 (CRS) 遺伝子の一部を欠落していることが明らかとなり、この欠落部分の配列がシーケンス解析により同定された。この欠落部分の配列に基づいて設計されたプライマーを用いてこの領域のPCRを行い、増幅産物が検出できれば、セレウリド産生株であると判断できる。日本で実際に発生したセレウス菌による嘔吐型食中毒の臨床株を無作為に100株選び、この方法で検査したところ、100％の確率でPCR産物が検出され、これらがセレウリド産生株であることが確認できた。また、セレウリド非産生株ではPCR産物は検出されなかった。このことからも、セレウリド産生株を特異的に検出できていることが示された。
本製品は、分離培養培地から得られたセレウス菌およびその類似菌（例：B. thuringiensis, B. anthracisなど）とセレウリド産生性セレウス菌を迅速かつ確実に検出するためのPCR検出キットである。セレウス菌およびその類似菌を検出するためにレシチナーゼ遺伝子を、また、セレウリド産生性セレウス菌を検出するためにセレウリド合成酵素 (CRS) 遺伝子を、一本のチューブで同時に増幅し、アガロースゲル電気泳動により検出確認を行う。増幅には、Hot Start PCR用酵素、TaKaRa Ex Taq HSを使用しているので、ミスプライミングやプライマーダイマーに由来する非特異的増幅を防ぐことができ、高感度の検出が可能である。また、インターナルコントロールを同時に増幅するため、偽陰性の判定が可能である。
このキットの開発には、名古屋市衛生研究所 安形則雄先生にご協力いただきました。
内容
（50反応分）
* dNTP Mixture、インターナルコントロール、TaKaRa Ex Taq HSを含む。
| 1. | 5×PCR Premix* | 500 μl |
| 2. | CRS Primer Mixture（セレウリド合成酵素遺伝子検出用） | 50 μl |
| 3. | LE Primer Mixture（レシチナーゼ遺伝子検出用） | 50 μl |
| 4. | I.C. Primer Mixture（インターナルコントロール検出用） | 50 μl |
| 5. | CRS Positive Control Template | 10 μl |
| 6. | LE Positive Control Template | 10 μl |
* dNTP Mixture、インターナルコントロール、TaKaRa Ex Taq HSを含む。
保存
－20℃
キット以外に必要な試薬、機器
【試薬】
- 滅菌精製水
- アガロースゲル
PrimeGel Agarose PCR-Sieve（製品コード 5810A） - 電気泳動用 buffer
またはTBE (Tris-borate-EDTA) powder（製品コード T905） - DNAマーカー
pHY Marker（製品コード 3404A/B）
またはφ X174-Hinc II digest（製品コード 3406A/B）
または100 bp DNA Ladder（製品コード 3407A/B）など - Loading buffer（6× ： 36％ glycerol, 0.05％ bromophenol blue, 0.035％ xylene cyanol, 30 mM EDTA）（4. に記載のDNAマーカーには添付されている。）
- DNA染色剤
SYBR Green I Nucleic Acid Gel Stain（製品コード 5760A/5761A）
またはエチジウムブロマイド
- ヒートブロック（95℃まで温度を上げられるもの）
- 1.5 mlチューブ対応型冷却遠心機
- サーマルサイクラー
TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice Touch（製品コード TP350）
TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice Gradient（製品コード TP600）など - 電気泳動装置
Mupid-2plus（製品コード M-2P）
Mupid-exU（製品コード EXU-1） - UVトランスイルミネーター（300 nm前後のもの）
- 電気泳動ゲル撮影装置（SYBR Green Iを使用する場合は専用のフィルターが必要です。）
- 0.2 ml PCRチューブ
0.2 ml Hi-Tube Dome Cap（製品コード NJ200）など - 1.5 mlチューブ（1．で代用も可）
- 200 μl ＆ 20 μlマイクロピペット
- マイクロピペット用チップ
- アガロースゲル染色用トレイ（SYBR Green I を使用する場合はポリプロピレン製容器を使用する。）
- 注意事項
- 本製品は食品分析および環境分析用試薬です。ヒト、動物への医療、臨床診断には使用しないようご注意ください。また、食品、化粧品、家庭用品等として使用しないでください。検査結果判定により発生する問題に関してタカラバイオ株式会社は一切の責任を負いません。
- タカラバイオの承認を得ずに製品の再販・譲渡、再販・譲渡のための改変、商用製品の製造に使用することは禁止されています。
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