二段階の発現調節
本ベクターは、Tetシステムによる厳密な転写制御と、Tet調節性バイディレクショナルプロモーター、さらに
ProteoTunerによる目的タンパク質の迅速な分解制御システムの3つの強力な技術を組み合わせて開発した製品である。pTRE-Cycle VectorはTet調節因子(Tet-On/Off Advanced transactivator; 1~3)を発現する細胞中で、Tet調節性バイディレクショナルプロモーター(PTight-BI)から独立に2種類の遺伝子を転写する(4~6)。この可逆的な転写調節は培地中のDox濃度依存的に厳密に行われる(図1)。2段階目の発現調節は、培地中のShield1濃度依存的に標的タンパク質の分解をコントロールするProteotuner技術を利用している(7)。pTRE-Cycle Vector上のDDタグに融合させた目的遺伝子はTetシステムによる転写制御とは独立にタンパク質発現レベルの調節が行える。
1つのベクターで2種類の遺伝子の発現調節が可能
Tetシステム、ProteoTunerシステムによる独立した2種類の発現調節を蛍光タンパク質(mCherry、ZsGreen1)の蛍光強度(図3、パネルA)、Sox2、Oct4のウェスタンブロットの結果により確認した(図3、パネルB)。