Mir-X Inducible miRNA System(GreenまたはRed)は、目的のmiRNA配列と蛍光タンパク質レポーター(mCherryまたはZsGreen1)を同時に1本のmRNAとして発現する。また、調節性に優れたTet-On Advanced Expression Systemを採用することで、厳密な転写調節を行える。
原理
目的のmiRNA配列は、miRNA Inducibleベクター(
pmRi-mCherry VectorまたはpmRi-ZsGreen1 Vector)上にコードされた蛍光タンパク質遺伝子の下流の3’UTR領域にクローニングされる。Tet-On Advanced調節因子を発現する細胞に、miRNA Inducibleベクターをトランスフェクションすると、培地中に添加したDox(ドキシサイクリン;図1、2)の濃度に応じて目的のmiRNAと蛍光タンパク質が発現する。Doxの培地への添加による転写の誘導は素早く、濃度依存的に調節が行える。
miR-1とmiR-9のターゲット配列を分泌性のルシフェラーゼ遺伝子に融合し(
RNAi Monitor)、MCF7 Tet-On Advanced Cell中で構成的に発現させ、miRNAの発現誘導をモニターした(図3)。DoxによるmiR-1またはmiR-9の誘導で、ルシフェラーゼ活性(補正後)が、コントロール細胞に比較して90%以上抑制されていた。
赤色または緑色蛍光による検出
Mir-X Inducible miRNAシステムは、DoxによるmiRNA発現調節ベクターのほか、薬剤選択マーカーDNA、専用の血清(FBS)、コントロールベクターと必要になるすべてを含んでいる。また、システムを構成する誘導性のベクターpmRi-mCherry vectorまたはpmRi-ZsGreen1 vectorは単品でも販売しており、クロンテックのTet-On/Off発現調節システムと併せて使用できる。