幹細胞やiPS細胞が分化多能性を保持しているかどうかを知ることは、幹細胞/iPS細胞研究において非常に重要なステップである。指標遺伝子検出用の評価済みのプライマーのセット(1)、あるいはこのPrimer Setに加え、必要な試薬も含むキットを用いることで、細胞の分化多能性の有無をRT-PCRで迅速に調べることができる。
Pluripotency Check PCR Kitは、幹細胞やiPS細胞の分化多能性の有無をRT-PCRで確認するために必要な試薬(RNA抽出、RT-PCR)やプライマーをすべて含んでいる。16種類のForwardおよびReverse Primerのセットにより、多能性幹細胞に特異的に発現している9種類の遺伝子と2種類のコントロール用遺伝子を検出できる(1;表1)。増幅サイズの異なるプライマーを用いることで、内在性の遺伝子発現と導入した遺伝子の発現を容易に区別でき、キット中のいくつかの遺伝子のプライマーまたは全プライマーを使用して分化多能性を調べることができる。
Pluripotency Check PCR Primer Setは別売りのプライマーセットであり、PCR用試薬などを含まない。
表1. 分化多能性チェック用 PCRプライマーセット
Primer Set |
増幅サイズ |
Primer Set |
増幅サイズ |
Oct3/4(Total)1 |
485 bp |
Klf4(Total)1 |
739 bp |
Oct3/4(Endogenous)1 |
224 bp |
Klf4(Endogenous) |
206 bp |
Nanog(Total)1 |
364 bp |
Ecat11 |
164 bp |
Nanog(Endogenous)1 |
223 bp |
ERas1 |
210 bp |
Sox2(Total)1 |
193 bp |
Esg11 |
376 bp |
Sox2(Endogenous)1 |
297 bp |
Rex11 |
287 bp |
c-Myc(Total)1 |
228 bp |
ß-Actin(Control) |
603 bp |
c-Myc(Endogenous)1 |
170 bp |
GAPDH(Control) |
568 bp |
Endogenous:内在性遺伝子
Total:内在性遺伝子+導入遺伝子
図1. マウスES細胞の分化多能性の確認
Total RNAをマウスES細胞株ES-E14TG2より抽出し、cDNA合成、PCR増幅をおこなった(操作手順はPT5086-2に従う)。
M:100 bp DNAマーカー レーン1:Oct3/4(Total) レーン2:Oct3/4(Endogenous) レーン3:Nanog(Total) レーン4:Nanog(Endogenous) レーン5:c-Myc(Total) レーン6:c-Myc(Endogenous) レーン7:Sox2(Total) レーン8:Sox2(Endogenous) レーン9:Klf4(Total) レーン10:Ecat1 レーン11:ERas レーン12:Esg1 レーン13:Rex1 レーン14:GAPDH (control) レーン15:β-Actin (control)
Klf4(Endogenous), data not shown. 内容
Pluripotency Check PCR Kit
(製品コード 631965 )
・Pluripotency Check PCR Primer Set(25回×16)(製品コード 631966)
・NucleoSpin RNA II(10反応分)
・SMART MMLV Reverse Transcriptase(8,000 units)(製品コード 639523)
・Titanium Taq PCR Kit(30回)(製品コード 639211)
保存
NucleoSpin RNA II Kit:室温
その他の試薬:-20℃
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