製品説明
ウイロイドは、低分子の核酸(RNA)病原体であり、植物に寄生して、わい化・葉巻・奇形などの症状を引き起こすことが知られている。ウイロイドは、約250~400ヌクレオチドの一本鎖の環状RNAだけからなり、構造タンパク質を欠き、独自のタンパク質情報もコードしていない。キクわい化ウイロイド(CSVd)はキクの重要病害の一つで、感染したキクは次第に生育が抑制され背丈が不揃いとなり、品種によっては葉の小型化や花の着色不良が発生する。
感染拡大を防止するためには原因ウイロイドの早期発見、感染株の除去が必要となる。本キットは、キクわい化病の病原体の本体であるウイロイド(環状RNA)を、RT-Cycleave ICAN法により簡便に検出するためのキットである。
Cycleave ICAN法とは、検出特異性の非常に高いサイクリングプローブ法ならびに等温核酸増幅法であるICAN法を用いた方法である。判定は反応後のチューブにUVを照射することにより、増幅されたキクわい化病ウイロイド(CSVd)の有無を蛍光で目視確認するだけである。目的産物が増幅された場合、反応液はピンク色を呈する。
内容
(25 μl反応、100回)1. RT Reaction Mix | 875 μl |
2. PrimeScript RTase (200 U / μl) | 25 μl |
3. ICAN Enzyme Mix | 750 μl |
4. CSVd Primer / Probe Mix*1 | 750 μl |
5. Positive Control RNA | 50 μl |
6. Dilution Buffer | 1,000 μl |
*1 遮光保存に留意する。
保存
-20℃
(コンポーネント1、3、4は、6ヵ月以内であれば、4℃での保存も可能です。融解時は激しい撹拌は避けてください。融解後は、均一になるように軽くチューブを転倒混和してからご使用ください。融解時に沈殿物が生じた場合は、軽くチューブを転倒混和して沈殿物を溶解後ご使用ください。)
キット以外に必要な試薬、機器(主なもの)
[器具]
- マイクロピペット
- マイクロピペット用チップ(疎水性フィルター付)
- マイクロチューブ(0.2 ml、1.5 ml、2 ml等)
- ベンチトップクーラー
- ディスポーザブルグローブ(パウダーフリーがよい)
[機器]
- サーマルサイクラー、ヒートブロック等の保温器
TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice Touch(製品コード TP350)など
- 卓上型遠心機(室温でよい)
- UVトランスイルミネーター(254 nm~365 nm)