製品説明
Thermal Cycler Dice Real Time System Lite(製品コード TP700)は、パーソナルユースあるいは検査目的にとって必要最小限のスペックとして標準ピッチの48ウェルブロックを採用し、さらに長寿命のLED光源の採用、使いやすさで定評の日本語ソフトを搭載するなど、高性能と使いやすさを兼ね備えたエコノミーモデルのリアルタイムPCR装置である。
ペルチェ素子を用いた安定した温度制御とウェル間で測定時間差のないカメラ撮影方式での蛍光検出により、ウェル間・実験間で高い均一性、再現性を実現している。蛍光フィルターは、FAMおよびROX/Texas Redの2種類を標準装備している。インターカレーター法や各種プローブ検出によるリアルタイムPCRが可能であり、FAM標識プローブとROX標識プローブによるマルチプレックスPCRも行うことができる。オプションフィルター(HEX/VICフィルター、Cy5フィルター)の追加搭載も可能である。
本体制御用コンピューターは日本語OSを搭載している。またソフトウェアは直感性を重視した2種類のソフトウェア~MIQEガイドラインに準拠したソフトウェアおよび食品環境検査用ソフトウェア(日本語表示)~を標準装備しており、セットアップから結果の解析まで、初めて操作される方でもスムーズに操作できる。研究者のニーズにこたえた解析手法に対応しており、クリック一つで解析法を切り替え可能である。
Thermal Cycler Dice Real Time System Lite MRQ(製品コード TP760)は、相対定量解析ソフトウェア「Multiplate RQ」を搭載した多波長検出モデルである。Multiplate RQは、リアルタイムPCR実験の反応数増加への対応、複数のリファレンス遺伝子を用いた補正による正確な定量といったニーズに対応して開発された相対定量解析ソフトウェアである。複数プレートにまたがる多検体、多遺伝子の相対定量解析を簡単に行うことができる。
特長
~高性能ハードウェア~
- 安定した温度制御と光学システムが高い解析精度を実現
TaKaRa PCR Thermal Cycler Diceシリーズで実績のあるペルチェ素子を用いた安定した温度制御と、上方から48ウェルを同時に測定するカメラ撮影方式での測定時間差のない蛍光検出により、ウェル間・実験間で高い均一性、再現性を実現している。
48ウェルでの反応・検出に高い均一性を保持しており(図1)、タカラバイオのインターカレーター法のqPCR試薬TB Green Premix Ex Taq II (Tli RNaseH Plus)(製品コード RR820S/A/B)*と組み合わせることで、2倍差の解析も可能である(図2)。
■48ウェル間での高い均一性
48ウェルで同一の反応を行い、Ct値の精度を調べた。すべてのウェルで均一な反応および検出ができていることがわかる。
■高い精度の解析を実現
6段階の2倍希釈系列の鋳型を用いて反応。各濃度の鋳型は正確に1サイクルずつの幅で検出され、高い信頼性で2倍の濃度差を測定可能なことがわかる。
図1 N=48での均一性
平均Ct値=22.80
標準偏差=0.0542
変動係数(%CV)=0.24
試薬: | TB Green Premix Ex Taq II (Tli RNaseH Plus)(製品コード RR820S/A/B) |
鋳型: | Human cDNA 5 ng |
図2 | 2倍差の検出 |
試薬: | TB Green Premix Ex Taq II (Tli RNaseH Plus)(製品コード RR820S/A/B) |
鋳型: | マウスtotal RNA 1.562 ng~50 ng相当のcDNA (N=3)(ターゲットはActb遺伝子) |
- インターカレーター法、プローブ検出のどちらにも対応
2種類のフィルター(FAMおよびROX/Texas Red)を標準装備している。インターカレーター法(TB Green検出)や各種プローブ(プローブ、サイクリングプローブ)検出によるリアルタイムPCRが可能であり、FAM標識プローブとROX標識プローブによるマルチプレックスPCRも行える。オプションフィルター(HEX/VICフィルター、Cy5フィルター)を追加搭載することで、さらに応用の可能性が広がる。
- 標準ピッチ48ウェルブロック採用のコンパクトボディー
一般的に使われる96ウェルプレートと同じ標準ウェル間隔48ウェルブロックを採用し、操作性は従来機と変わらずにコンパクト化を実現。
- レポート機能の充実
日本語OSを搭載しているため、検体名などは日本語入力も可能である。
<出力形式>
Microsoft Word(.docx)、Microsoft Excel(.xlsx)、Microsoft PowerPoint(.pptx)、PDF(.pdf)
カンマ区切りテキストファイル(.csv)、テキスト(.txt)、ビットマップ(.bmp)
~研究者が考案した使い勝手抜群のソフトウェア(2種)~
- MIQEガイドラインに準拠した新時代のソフトウェア
- 便利機能満載のプログラム設定
ソフトウェアはシンプルな5画面で構成されており、直感性を重視した設計になっている。セットアップから結果解析まで、初めて操作される方でもスムーズに操作できる。
- 多様な解析手法に対応
研究者のニーズにこたえたさまざまな解析手法に対応しており、クリック一つで解析法の切り替えが可能である。
・Ct値の算出:Crossing Point法および2nd Derivative Maximum法
・相対定量解析手法:検量線法、ΔΔCt法(比較Ct法)
・定性解析手法:SNP Genotyping Assay、Plus/Minus Assay
- MIQEガイドラインに準拠し、RDMLファイルの出力が可能
- 相対定量解析ソフトウェア「Multiplate RQ」を搭載*
<Multiplate RQの特長>
・複数のリファレンス遺伝子(ハウスキーピング遺伝子など)を用いた補正が可能
・複数プレートにまたがる多検体、多遺伝子の相対定量が簡単に行える
・複数のランファイルを一度にまとめて解析できる
・検量線法とΔΔCt法の両方に対応
・グラフ表示や様々な形式での出力が可能(定評のあるシステムソフト機能を継承)
* 本ソフトはThermal Cycler Dice Real Time System Lite MRQ(製品コード TP760)に標準搭載している。製品コード TP700の場合は、後から追加インストール可能である。
- 直感的に操作できる(日本語表示)
- 基本表示もレポート出力もすべて日本語の完全日本語サポート
各種メニューや項目はすべて日本語で表示されており、セットアップから解析まで直感性を重視したソフトウェア設計であるため、スムーズにリアルタイムPCR解析を行うことができる。
- 検査用途に適した5つの解析タイプを搭載
+/-判定(CycleavePCR Kit)、+/-判定、絶対定量、相対定量、SNPsタイピングの5種類の解析タイプが装備されており、あらゆる検査用途に対応可能である。
- CycleavePCRキット専用モードなら、反応開始から結果判定までデフォルトのままで使用可能
CycleavePCRキットを用いる解析の多くは、デフォルト設定で行うことができ、反応終了後には「総合判定」ボタンを押すだけで「Posi」「Nega」などの結果を表示できる。初めてでも簡単に使用可能である。
仕様
外形寸法 | 294(W) ×480(D) ×304(H) mm |
重量 | 18.0 kg |
電源 | AC100~240 V、50/60 Hz、370 W |
加熱冷却方式 | ペルチェ素子 |
蛍光励起光源 | LED |
蛍光励起波長 | 2種(最大4種類まで搭載可能) |
蛍光検出波長 | 2種(FAM、ROX/Texas Red) (最大4種類まで搭載可能 追加可能なオプションフィルター:HEX/VIC、Cy5) |
温度設定範囲 | 10.0℃~99.9℃(0.1℃単位) |
温度精度 | 94℃設定/55℃設定で±0.5℃ 10℃設定で±2.0℃ |
最大加熱速度 | 3.0℃/秒 |
最大冷却速度 | 2.4℃/秒 |
蛍光検出法 | CCDカメラ方式 |
融解曲線分析 | 可能 |
リアルタイムでの表示 | 可能 |
同時測定サンプル数 | 48サンプル |
サンプル容器、容量 | 0.2 mlチューブ、48ウェルプレート |
反応液量 | 推奨25 μl(最大50 μl) |
コンピューター | 専用Windows PCが付属 |
相対定量解析ソフトウェア「Multiplate RQ」 | Thermal Cycler Dice Real Time System Lite MRQのみ標準搭載 |
※ 仕様は予告なしに変更することがあります。
本体外観
リアルタイムPCR関連実験の各種手法をホームページでご紹介しています。あわせてご参照ください。
製品コードや試薬の性能に変更はありません。これまで通りご使用ください。