製品説明
TaKaRa Taq HS Low DNAは、タカラバイオ独自の精製技術およびDNA不活化処理により、酵素調製後に残存する宿主大腸菌由来DNAやその他の原料由来DNA等、製造工程で混入したPCRの鋳型となりうるDNAを極限まで抑制したプレミックスPCR試薬である。伸長速度と特異性を高めた改良型
Taq DNA polymeraseを使用することにより、高感度で特異的なPCR増幅を迅速に行うことができる。本酵素は常温下でのDNA polymerase活性を抑えるモノクローナル抗体を添加したホットスタート用PCR酵素であり、PCR反応前のミスプライミングやプライマーダイマーに起因する非特異的増幅を抑えることができる。この抗体は、PCRの最初の変性ステップで変性するため、特別な活性化ステップは必要ない。また、反応コンポーネントをプレミックス化したことにより、常温での迅速な反応液調製が可能である。本酵素は5’→3’exonuclease活性および3’→5’exonuclease活性を有しない。
パンフレットもご覧ください 内容
(100回用)*
TaKaRa Taq HS Low DNA(2×) 1,000 μl
dH2O for Low DNA 1,000 μl
* 反応容量20 μlでの回数
保存
-20℃
起源
Escherichia coli carrying a plasmid that encodes the Thermus aquaticus DNA polymerase gene
用途
・低コピー数からのPCR法によるDNA増幅
・菌叢解析
一般的なPCR反応組成(total 20 μl)
注)反応液の室温調製も可能であるが、試薬は必ず氷上に置いて使用する。
*1 Ramp temperature speedが5℃以上の高速サーマルサイクラーを用いる場合、Primer濃度を0.6 μMに設定する。
Primer 設計
PrimerはTm値が55℃より高くなるように設定する。
(Tm値は下記のTm近似計算式※で計算)
※ Tm値=4×(G, Cの数)+2×(A, Tの数)+35-2×(総塩基数)
注)Nearest Neighbor法により計算したTm値を利用する場合は、PrimerのTm値が60℃より高くなるように設定する。
PCR条件
2 step PCR
94℃*2 65℃ |
| 5 sec. 20 sec./kb |
|
30~35 cycles*3 |
3 step PCR
*4
94℃*2 55℃ 68℃ |
| 5 sec. 1 sec. 20 sec./kb |
|
30~35 cycles*3 |
*2 変性温度は必ず94℃に設定してください。変性温度を95℃以上に設定すると、酵素の失活による反応性低下が起こります。
*3 40サイクルを超える増幅は推奨しません。
*4 Tm近似計算式で計算したTm値が55℃以下の場合(Nearest Neighbor法で計算したTm値が60℃以下の場合)は、3 step法をお試しください。
注意
本製品は従来のベーシックPCR酵素と比べて、非常に少ない鋳型量からの増幅に対応したPCR酵素です。
そのため微生物検出を目的とした場合、反応系に混入した環境細菌由来の微量なDNAを鋳型に増幅する場合があります。
その場合はPCRのサイクル数を減らす、またはプライマー設計を変更することをお勧めします。
PCR産物について
TaKaRa Taq HS Low DNAを用いて増幅したPCR産物のほとんどは、3’末端にAが1塩基付加されている。したがって、そのPCR産物をそのままT-Vectorにクローニングすることができる。また、末端平滑化およびリン酸化を行って、平滑末端のベクターにクローニングすることも可能である。