製品説明
NucleoZOLは細胞、組織、酵母、細菌、ウイルスなど、様々なタイプのサンプルからRNAを抽出する試薬である。
一般的な有機溶剤ベースのRNA抽出試薬は試料を溶解後、クロロホルムを添加し溶液を二層に分離して水層を回収するが、本製品は二層分離の必要がなく、シンプルな一層の抽出操作によってtotal RNA、small RNAを抽出することができる。DNA、タンパク質などの夾雑物質は沈殿として除去できる。
二層に分離して水層を分取する必要がないため、サンプルのロスやフェノール層のキャリーオーバーの心配がなく、高純度のRNAを収率良く得ることができる。small RNAを含むtotal RNAを1チューブで回収できる他、small RNAとlarge RNAを別々のチューブに回収することも可能である。
NucleoSpin RNA Set for NucleoZOLは、NucleoZOLで抽出し、遠心によりDNAやタンパク質を除いた上清からsmall RNAを含むtotal RNAを精製するスピンカラムとバッファーのセットである。本製品(NucleoZOLは含まれない)にはNucleoZOLを500 μl使用して抽出した溶液を50回精製できるスピンカラムとバッファーが含まれる。本製品を用いると、NucleoZOLで抽出した溶液より、迅速、簡便にRNAを精製することが可能である。
NucleoZOL
原理 |
One-phase抽出 |
形状 |
有機溶剤試薬 |
サンプル量 (NucleoZOL 1 mlあたり) |
培養細胞、細菌、酵母: 1×107 動物組織、植物組織: 100 mg 体液(ウイルス): 0.4 ml |
精製サイズ | small RNA:<200 bases
large RNA:>200 bases |
回収量(total RNA) | 6~8 μg/mg(肝臓)
3~4 μg/mg(腎臓、脾臓)
0.5~1.5 μg/mg(筋肉、脳、肺)
4~10 μg/106 cells(培養細胞) |
回収量(large RNA) |
5~7 μg/mg(肝臓)
3~4 μg/mg(腎臓、脾臓)
0.5~1.5 μg/mg(筋肉、脳、肺)
3~8 μg/106 cells(培養細胞) |
A260/280
(total RNA) |
1.8~2.1 |
標準的RIN* |
>9 |
回収液量 |
任意 |
精製時間 |
<1時間 |
* RNA integrity number
NucleoSpin RNA Set for NucleoZOL
原理 | シリカメンブレン法 |
形状 | スピンカラム |
サンプル量 | ≦500 μl NucleoZOL sample |
精製サイズ | small RNA:10~200 bases、
large RNA:>200 bases |
回収率 | 85~95% |
溶出液量 | 60 μl |
精製時間 | <1時間 |
結合容量 | 200 μg |
図1.筋組織サンプルからのRNA抽出
NucleoZOLを用いて、マウス心臓組織60 mgよりtotal RNAを抽出し、Agilent Bioanalyzerで分析を行った。その結果、RIN値 9の分解の少ないRNAが得られていることが分かった。
(マッハライナーゲル社比較data)
図2.NucleoZOLのRNA収率
様々なサンプルからRNAを抽出し、他社の二層分離の製品とNucleoZOLによるRNA収量を比較した。
RNA収量はqRT-PCRにより測定し、NucleoZOLの収量を100%として図に示した。
NucleoZOLで抽出したほうが、酵母を除くすべてのサンプルで良好な収量を示した。
(マッハライナーゲル社比較data)
図3.抽出RNAへのDNA混入量とフェノールのキャリーオーバー
NucleoZOL、または他社製品を用いてラット肺組織50 mgよりtotal RNAを抽出した。
A | : | DNAの混入はqPCRにより測定した(他社製品を100%として表示)。
2層分離の試薬に比べてNucleoZOLではDNAの混入はほとんど見られなかった。 |
B | : | フェノールの混入はA260/A230比より判定した。NucleoZOLはA260/A230の値が高く、フェノールのキャリーオーバーが少ないことが示された。 |
内容
NucleoZOL(製品コード 740404.200)
・NucleoZOL reagent 200 ml
NucleoSpin RNA Set for NucleoZOL(製品コード 740406.50)
・Binding Buffer MX
・Wash Buffer RA3 (concentrate)
・RNase-free H2O
・NucleoSpin RNA Columns
・Collection Tubes (2 ml)
・Collection Tubes (1.5 ml)
保存
室温
本製品以外に必要な試薬
• RNase-free 水
• 75% エタノール
• 70% イソプロパノール
• 100% イソプロパノール
操作手順
用途
- 培養細胞、動物組織、植物組織、微生物からのRNA精製
- 精製RNAは、リアルタイムRT-PCR、ノザンブロッティング、プライマーエクステンション、アレイ解析、RNaseプロテクションアッセイなどに使用可能
NucleoSpinはマッハライ・ナーゲル社の登録商標です。