製品説明
Capturem Protein Aシリーズは、モノクローナル抗体やポリクローナル抗体の高品質・高純度精製、スクリーニングを小スケールで迅速に行えるスピンカラムタイプの製品である。次世代メンブレン技術であるCapturem技術とProtein Aの抗体結合能を組み合わせることにより、抗体のアフィニティ精製を簡便で迅速に行うことが可能である。
本製品は、高性能ナイロンメンブレンを装着したスピンカラムを用いており、サンプルの添加から溶出まで、室温で操作可能で、Miniprep(終売)では5分以内、Maxiprep(終売)、24 well plate(終売)では15分以内に終了する。処理時間が短いため、抗体の劣化や失活の懸念が少なく、待ち時間のない手軽な操作で質の高い精製が可能である。化学的修飾により孔の表面積を拡大したナイロンメンブレンは、ベッドボリュームが少なく、抗体の結合能が高く(≧75 mg/cm
3)、高純度、高濃度での精製が可能である。
表1.様々な生物種由来抗体との結合能(Capturem ProteinA miniprep(終売))
抗体由来生物 |
結合能 (μg/column)* |
Goat |
100~150 |
Horse |
>150 |
Human |
>150 |
Mouse |
100~150 |
Rabbit |
50~100 |
Rat |
>150 |
Sheep |
>150 |
mouse IgGの場合の吸着量:40~60 μg/column
* 各生物の血清はリン酸binding buffer(pH8.0)に希釈し、本カラムへ添加した。
他社との比較1 -収量ー
他社製品より、高収量の抗体精製が可能!!
他社の Protein A resin(左図)
Capturem Protein A Miniprep(終売)(右図)
生物種 | 回収量(μg) |
Protein A resin | Capturem Protein A Miniprep(終売) |
a) Mouse | 90 | 122 |
b) Sheep | 94 | 207 |
c) Goat | 55 | 104 |
d) Rat | 42 | 191 |
e) Rabbit | 70 | 94 |
f) Horse | 80 | 251 |
g) Human | 114 | 180 |
Capturem Protein A Miniprep(終売)とProtein A resinの比較
生物の血清からの抗体精製をCapturem Protein A Miniprepおよび他社のProtein A resinを用いた場合で比較した。
精製した抗体は、SDS-PAGEを行い、クマシーブルーで染色を行った(左図)。
精製抗体の収量は、280 nmの吸光度で測定した(右表)。Capturem Protein A Miniprepは他社Protein A resinを用いるよりも高収量の抗体精製が可能である。
他社製品との比較2 -純度-
他社製品より、高純度の抗体精製が可能!!
Capturem Protein A Miniprep(終売)は他社Protein A resinより高純度の抗体精製が可能
ヒト血清からの抗体精製を、Capturem Protein A Miniprepを使用した場合と他社Protein A resinを使用した場合で比較した。
Capturem Protein A(緑枠)は他社のProtein A resin(赤枠)と比較してヒト血清中アルブミンがより確実に除去されている。(Lane4のみウマ血清を用いている。)
1 | Human Serum 1 | 7 | A社 Elution 2 |
2 | B社 Wash画分 | 8 | B社 Elution 1 |
3 | C社 Wash画分 | 9 | B社 Elution 2 |
4 | Capturem Elution (ウマ血清) | 10 | B社 Elution 2 (repeat) |
5 | Capturem Elution | 11 | C社 Elution 1 |
6 | A社 Elution 1 | 12 | C社 Elution 2 |
表2.Protein AとProtein Gのアイソタイプ親和性
Species | Antibody subtype | Protein A | Protein G | Protein A/G |
Human | Total IgG IgG1 IgG2 IgG3 IgG4 IgM IgD IgA1 IgA2 Fab scFv | +++ +++ +++ + +++ + - + + + + | +++ +++ +++ +++ +++ - - - - + - | +++ +++ +++ +++ +++ + - + + + + |
Mouse | Total IgG IgM IgG1 IgG2a IgG2b IgG3 | +++ - + +++ +++ +++ | +++ - ++ +++ +++ +++ | +++ - ++ +++ +++ +++ |
Rat | Total IgG IgG1 IgG2a IgG2b IgG2c | + + - - +++ | ++ ++ +++ + +++ | ++ ++ +++ + +++ |
Rabbit | Total IgG | +++ | +++ | +++ |
+++ strong binding
++ medium binding
+ weak binding
- no binding
保存
室温で12ヵ月
本製品以外に必要な試薬等
本製品にはバッファー、コレクションチューブなどが含まれていません。下記組成のバッファーおよび製品をご用意ください。
- Purification Buffer
本製品は、抗体精製で一般的に使用されているリン酸、クエン酸、グリシン緩衝液などが使用可能である。標準的な溶液を以下に示す。
・Equilibration/Binding/Wash Buffer:10X Capturem Protein A Buffer(製品コード 635746)。使用前に1xに希釈する。
下記のバッファー組成でも使用可能
-0.1 M Tris, 150 mM NaCl (pH8.0), 100 mM phosphate
-2 M NaCl (pH8.0), 100 mM sodium phosphate (pH6.8)
-2.5 M NaCl (pH7.4), 100 mM sodium citrate (pH7.4)
-Dulbecco's PBS
※Capturem Protein A Buffer(製品コード 635746)および上記4つのバッファーは、ヒトIgG抗体用に最適化されています。ヒト以外の生物種で実験を行う場合もCapturem Protein A Bufferの使用を推奨しますが、他の4つのバッファーでの条件検討もご検討ください。
・Elution Buffer:0.1 M glycine, pH2.5~3.0
・Neutralization Buffer:1 M Tris, pH8.5
- Collection tube