Nio+/Nio systemは、Crystal Digital PCRに必要な全ての機能を搭載したオールインワンのデジタルPCRシステムです。ドロップレットの作製からPCR反応、シグナルの検出、解析までの全ての工程をシステム1台で完了できます。装置本体以外に特別な装置の必要はなく、一般的な実験台の半分ほどのスペースがあれば設置することができます。また、チップベースの解析システムでワークフローは極めて簡便です。専用のRubyチップに調製したサンプルを分注するだけで反応を開始できます。装置本体には使いやすい21.5インチの大型タッチスディスプレイを搭載し、サンプルセッティングから解析までをスタンドアローンで行うことができます。直感的なユーザーインターフェースを備えたCrystal ReaderおよびCrystal Minerソフトウェアを用いて、ドロップレットの品質管理から、1D、2D、3D解析など、視覚的にも分かりやすく結果の解析を行うことができます。
完全なオールインワンシステム
Nio+/Nioは装置1台でデジタルPCR解析に必要な全ての工程を完了できます。ドロップレット作製用のデバイスは不要であり、特定の工程のために複数のデバイス間でサンプルやチップを入れ替える必要はありません。一度装置にチッププレートを挿入すれば、解析が完了するまでハンドリング操作は不要です。
業界初の7色搭載、カラーコンビネーション機能によるマルチプレックス解析に対応
Nio+/Nioは世界で初めて7色のフィルターを搭載したデジタルPCRシステムです。さらに、1つの増幅産物を2種類の異なる蛍光プローブで検出することで、20以上のマルチプレックス解析を実現するカラーコンビネーション機能に対応しました。マルチプレックス解析を用いることで、これまで数段階に分けられていたスクリーニングを1度の解析で行うことができ、希少なサンプルの有効活用とコストの削減を行うことができます。また、複数の低頻度遺伝子変異の存在が知られているがん疾患などの高精度な解析にも用いることができます。
ハイスループット解析に適した連続ローディング機能
Nio+/Nioは運転中であっても次のサンプルのローディングを待つ必要はありません。装置内部には最大8つまでのチッププレートを保持することができ、運転中であってもいつでもチッププレートをローディングすることができます。さらに、Nio+には2つのサーマルサイクラーが内蔵され、独立して反応を制御することができます。チップごとに異なるPCR反応条件を行うことができるため、複数の研究者が装置を利用する場合でも、それぞれの研究者が独自の反応条件を設定し、いつでも実験を開始することができます。このような連続ローディング機能に加え、ハイスループット解析も実現しました。1つのRubyチップは16サンプルの解析を行うことができます。1枚のチッププレートには3枚のRubyチップを、1つのNio+には最大8枚のチッププレートをローディングできるため、1回の運転で最大384サンプルを処理することができます。Nio+の連続ローディングの機能を生かせば、最大768サンプル/日のハイスループット解析にも対応することができます。
オートメーションに対応したRubyチップ
Rubyチップのサンプル投入ウェルは、一般的なSBS規格の96ウェルプレートと同じピッチで配置されています。そのため、8連マルチチャンネルピペットを用いて反応液の分注が行えるほか、ハミルトン社やTecan社などの自動分注装置にも対応します。また、Rubyチップにはドロップレット作成に必要なオイルがあらかじめ充填されています。そのため調製した反応液をチップに1回分注すれば、システムにチップをローディングして、解析をスタートすることができます。自動分注装置を用いることで、ハイスループットなデジタルPCR解析のためのサンプル調製を効率的に行うことができます。
信頼性の高い試験を実現する独自のドロップレットQC
信頼性の高い結果は、高品質なドロップレットから得られます。Stilla社のCrystal Digital PCRは、各チップのチャンバー内で生成される全てのドロップレットの画像を取得し、ドロップレットの数、形状、均一性から品質管理を行います。選択した全てのチャネルについて全ドロップレットの画像ファイルが記録されるため、Explore Crystal機能を用いて、検出されたシグナルに対応するドロップレットの品質を、ドロップレット1つ単位から画像上で確認することができます。
パワフルなNio Analyzerソフトウェア
Nio Analyzerソフトウェアは直感的で使いやすいデジタルPCR解析用ソフトウェアです。Nio Analyzerソフトウェアは、生成された全てのドロップレットの画像を解析し、ドロップレットの数、形状、均一性についての品質確認を自動で行います。また、標的遺伝子の定量測定(コピー数/μl)だけでなく、視覚的な1D、2D、3D解析、独自のカラーコンビネーション機能を用いた高度なマルチプレックス解析を簡単に行うことができます。カラーコンビネーション機能を用いた解析では、標的遺伝子ごとの検出波長の組み合わせを選択するだけで、標的遺伝子の定量を自動で行うことができます。さらにExplore Crystal機能により、ドットプロット表示されている任意のシグナルに該当する陽性ドロップレットの画像を確認できるため、より厳密な品質管理を行うことができます。
Nio Analyzer ソフトウェアは、装置に内蔵された大型タッチパネル上でも、研究者のデスクのラップトップ上でも同様に使用することができます。
5×または10×のPCR MIX試薬
デジタルPCR用の専用試薬として、プローブ法用のnaica multiplex PCR MIX、インターカレーター法用のnaica PCR MIXがあります。各試薬とも5×または10×のマスターミックス試薬となっており、テンプレートDNA量をより多く使用することができます。
Nio+ system 動画