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演題 <微量RNA-Seqが可能にする免疫細胞解析>
エピジェネティクプライミング ー細胞分化のトリガーを引くのは何か?ー
演者 大倉 永也先生(大阪大学 医学系研究科 基礎腫瘍免疫学共同研究講座)
開催日 2017年5月22日(月)14:30~15:15
会場 A会場
特定の細胞への分化は、特定の転写因子の発現誘導を起点として進行すると従来考えられてきた。T細胞の1サブセットである制御性T細胞(Treg)も、これまで転写調節因子Foxp3の発現が分化トリガーであると考えられてきたが、近年Foxp3を欠損した状態においてもTreg特異的なエピゲノム形成が進行することが解ってきた。Treg特異的なエピジェネテック変化は、Foxp3が誘導される以前から段階的に進行し、Treg機能を司る遺伝子群の安定な発現維持に必須な要素として機能する。これらのことは、Treg分化には、Foxp3発現の上位機構としてTreg型エピゲノムの形成、すなわちエピジェネティクプライミングが必要であることを物語っている。Treg細胞における特異的エピゲノム成立過程および発現変化に焦点をあて概説してみたい。なお免疫細胞は極少数なため、発現解析には微量増幅可能なSMART-Seq v4キット(タカラバイオ)を用いている。