演題 | : | バイオ医薬品の品質低下の要因と防止について Factors affecting qualities of biopharmaceuticals and improvements of the qualities |
演者 | : | 内山 進 先生 |
所属 | : | 大阪大学大学院工学研究科生命先端工学専攻 高分子バイオテクノロジー領域 |
開催日 | : | 2020年3月14日(土)11:30~12:20 |
会場 | : | パシフィコ横浜・会議センター5F 501 |
遺伝子組み換え技術などのバイオテクノロジーの発展に伴い、効果が高く、副作用がより少ない医薬品の開発が行われている。 2000年代に入りタンパク質の一種である抗体を主成分とする抗体医薬が登場し、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患等の自己免疫疾患の治療においてパラダイムシフトをもたらしたと言われ、抗TNFα抗体等、疾病治療に不可欠となった「バイオ医薬品」も少なくない。 一方、バイオ医薬品の主成分はタンパク質であるため品質が変化しやすいため、安定に保存可能な製剤とする開発研究が必要となる。 特に近年は、凝集体や化学変化体による免疫原性が懸念されており、品質の正確なモニタリング、副作用発生機構の理解、および品質低下の防止が重要な課題となっている。 本講演では、まずバイオ医薬品の品質管理に必要な物理化学分析を紹介し、品質の低下につながる要因について説明する。 続いて、品質低下を抑制するための方法を述べた後、最後に登場する新しいモダリティーを利用した医薬品における課題について議論する。 |