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Q&A

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大腸菌コンピテントセルの基本

Q1 ケミカルコンピテントセルとエレクトロポレーション用コンピテントセルはどう使い分けるのか?
A1 弊社ケミカルコンピテントセルの標準的な導入効率は1×108 transformants/μgプラスミドDNA程度ですが、エレクトロポレーション用コンピテントセルはさらに1桁程度高い導入効率です。ケミカルコンピテントセルでは特別な装置は不要で、簡単な操作でプラスミド導入を行えます。サイズの大きなプラスミドやライブラリー作製時にはエレクトロポレーション用コンピテントセルを用いた導入をお勧めします。

Q2 どの大腸菌株のコンピテントセルを使えばよいか?
A2 大腸菌は本来、外来DNAを切断する性質を持っており、ある種のメチル化DNAやPCR産物など塩基が修飾されていないDNAを切断してしまいます。そのため、哺乳類ゲノムDNAやメチル化cDNA(ライブラリー作製時)、PCR産物をクローニングする場合には、制限修飾系遺伝子(mcrAmcrBなど)を欠損した株が利用されています。一方、一部の制限酵素(Xba Iなど)はメチル化されたプラスミドDNAを切断できないため、Dam、Dcmメチラーゼなどのメチレーション系遺伝子の一部を欠損した株でプラスミドを調製する必要があります。タカラバイオでは各種コンピテントセルをご用意していますので、使用するプラスミドや実験目的に適した製品をご利用ください。クローニング操作には通常、E. coli K12株由来の大腸菌株が使用されます。カルタヘナ法研究開発二種省令で定める認定宿主ベクター系の宿主として実験分類/区分1(クラス1)に指定されている大腸菌は、K12株とB株由来の大腸菌のみです。B株はプロテアーゼ遺伝子(lon, ompT)を欠損しているため、BL21株をはじめ、主に導入遺伝子の組換えタンパク質発現用宿主として使用されています。異種生物由来の遺伝子が導入されていない大腸菌コンピテントセルそのものはカルタヘナ法の規制対象ではありません。なお、BL21系の大腸菌は形質転換効率が低くクローニング操作には適していません。

Q3 導入可能なプラスミドの大きさは?
A3 ケミカルコンピテントセルの場合、プラスミドサイズが10 kbを超えると導入効率が50%以下に低下し、18 kbでは約10%程度となります。サイズの増加に伴い効率は低下しますが、40 kb程度のアデノウイルスプラスミドもケミカルコンピテントセルでクローニング可能です(pUC系のプラスミドの場合、サイズ増加に伴い複製、分配が不安定となりサブクローニングが困難になります。サイズの大きなDNA、安定性に問題のあるDNAはpBR系の低コピープラスミドをお使いください)。同じK12株の大腸菌でも変異の有無によって大きなサイズのプラスミドの形質転換効率は異なるため、BACなどの100 kb程度の大きなDNAの導入には、E. coli HST08 Premium Electro-Cells(製品コード 9028)の使用をお勧めします。

Q4 プラスミドの純度、量はどの程度がよいか?
A4 大腸菌の形質転換にはミニプレップ程度の純度のDNAで十分で、100 μlのセルに10~1000 pg程度のプラスミドDNAを用います。また、エレクトロポレーションによる形質転換の際には塩類を完全に除く必要があるため、DNAはTE bufferや滅菌水に溶解したものを使用します。

Q5 一度融解したCompetent Cellsは再凍結保存は可能か?
A5 一度融解したCompetent Cellsを再度凍結保存することはお勧めしません。やむを得ず必要な場合、ドライアイス/エタノール中で凍結させ、-80℃で保存してください。ただし、形質転換効率は1桁以上低下する可能性があります。

Q6 形質転換後のコロニーサイズが不均一だが?
A6 形質転換後の正しいインサートを持つクローンが小さなコロニーを形成する場合があります。なお、2 mm程度のコロニーの周辺に生じる多数の小さなコロニーはサテライトコロニーと呼ばれプラスミドを保有していません。

Q7 伝達性や感染性はないのか?
A7 通常、クローニング操作には伝達性に関係するF因子、R因子を持たない大腸菌株が使用されていますので、伝達性、感染性はありません。

【参考文献】
  1. BIO VIEW 56号,26-28.
  2. Inoue, H., et al.,(1990)Gene, 96(1), 23-38.


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