PicoPLEX® WGA Kit

PicoPLEX® Single Cell WGA Kit/PicoPLEX® WGA Kit Q&A

全表示/全非表示
Q1 PicoPLEX Single Cell WGA Kitは他のWGA(全ゲノム増幅)技術に比べ何が特長か?
A1 他のWGA技術に比べ、PicoPLEX Single Cell WGA Kitの最大の特長は、シングルセルを使用した場合でも最も再現性の良い解析データが得られることです。また、この技術はバックグラウンドが非常に低いのも特長です。
Q2 PicoPLEX Single Cell WGA Kitの推奨されるDNAインプットは?
A2 
  • 1~10個のヒト細胞(割球、極体、栄養芽細胞、羊膜細胞、血中循環腫瘍細胞、培養細胞など)
  • 1,000~10,000個の細菌細胞
  • インタクトまたは断片化した一本鎖 /二本鎖DNA
  • 単離されたDNA(15~60 pgのヒトDNA)
    60 pg以上のインプットも可能ですが、各ステップでサイクル数の最適化が必要です。
  • インプットサイズ 500 bp以上
  • ソートした染色体
Q3 PicoPLEX Single Cell WGA Kitで正常に増幅できた細胞の種類は?
A3 シングルセルの割球、極体、栄養芽細胞、羊膜細胞、培養細胞由来のDNAが正常に増幅されています。
Q4 細胞回収前に細胞を洗浄する必要があるか?
A4  はい。細胞外のDNAや増殖培地の混入を抑えるために細胞を洗浄する必要があります。PBS(Ca2+、Mg2+、BSAフリー)で洗浄し、回収後の洗浄バッファーの持込は2.5 μl以下にすることを推奨します。
Q5 PicoPLEX Single Cell WGA Kit使用前のシングルセル洗浄に使用できる、吸着を抑える洗浄バッファーはあるか?
A5  タカラバイオでは検証していませんが、一部のユーザー様はポリビニルアルコール(例えば0.1% PVA)を含んだPBSを、細胞の洗浄/回収に使用され成功しています。洗浄/回収バッファーに用いるPBSは、Ca2+、Mg2+、BSAフリーのものを使用してください。
Q6 PicoPLEX Single Cell WGA Kitに適した細胞の回収方法は?
A6  ソーティング、希釈およびマイクロマニピュレーションが適しています。
Q7 ソーティングを行う時に、特に注意する点は?
A7  細胞を固定しないことと、細胞の分取・回収に光散乱または位相差を使用することを強く推奨します。分取に成功した細胞を顕微鏡/目視確認をすることで、分取条件を最適化できます。
Q8 PicoPLEX Single Cell WGA Kitのサンプルインプット液量は?
A8  PicoPLEX Single Cell WGA Kitのサンプルインプット液量は、1反応あたり5 μlです。但し、細胞およびバッファーの持ち込み量は最大2.5 μlです。
Q9 PicoPLEX Single Cell WGA Kitで用いる技術は、GenomePlex WGA Kit(Sigma-Aldrich社)と同じものか?
A9  いいえ。PicoPLEX Single Cell WGA Kitは異なる技術を使用しています。
Q10 PicoPLEX Single Cell WGA Kitの所要時間は?
A10  細胞の溶解からDNAの増幅まで3時間以内で完了し、5 μg以上の増幅産物が得られます。
Q11 PicoPLEX Single Cell WGA Kitのパフォーマンスはどれくらい堅牢か?
A11  PicoPLEX Single Cell WGA Kitは増幅自体よりも細胞分取の不確実性によって制限されますが、ソーティングで分取した培養細胞で約90%の増幅成功率が得られます。シングルセルからは、常に再現性のある高収量の増幅されたゲノムDNAが得られます。バッファーのみのネガティブコントロールからは、バックグラウンドがほとんど生じません。
Q12 PicoPLEX Single Cell WGA Kitはゲノム遺伝子座を再現性よく増幅するか?
A12  はい。シングルセルを用いた反復実験で、qPCRのCtデータの相関係数は約0.9でした。
Q13 PicoPLEX Single Cell WGA Kitの増幅産物で予測されるゲノム遺伝子座表現とヘテロ接合性の喪失(LOH)は?
A13  以下の第三者から入手したデータをご参照ください。
SNPジェノタイピング方法シングルセル増幅成功率SNPコール率LOH
PCR95%>95%<10%
Illumina Infinium SNP array95%50~60%7~12%
Q14 バッファーのみのコントロール反応はシングルセルからの反応と区別できるか?
A14  はい。PicoPLEX Single Cell WGA Kitは単一コピーを増幅できる感度と高い特異性を持っています。
Q15 PicoPLEX Single Cell WGA Kitの増幅産物は一本鎖 or 二本鎖?
A15  PicoPLEX Single Cell WGA Kitの増幅産物は一本鎖DNAと二本鎖DNAの混合物です。
Q16 PicoPLEX Single Cell WGA KitはどのようなNGSアプリケーションに使用できるか?推奨されるアプリケーションは?
A16  PicoPLEX Single Cell WGA Kitは以下のアプリケーションで使用できます。
  • コピー数多型(CNV)解析:オリゴアレイCGHでの解析
  • SNPジェノタイピング
  • PCRによる変異検出
PicoPLEX Single Cell WGA Kitは特にコピー数多型の解析に適しています。
Q17 PicoPLEX Single Cell WGA KitはなぜSNPジェノタイピング解析に適しているのか?
A17  PicoPLEX Single Cell WGA Kitは異なる細胞間でも同じ遺伝子座を再現性よく増幅するので、SNPジェノタイピングに適しています。他のWGA法で見られるドロップアウトやノイズが少なく、領域内に含まれるSNPを正確に検出します。
Q18 PicoPLEX Single Cell WGA KitはゲルベースのSTRジェノタイピングに使用できるか?
A18  いいえ。PicoPLEX Single Cell WGA KitはゲルベースのSTRジェノタイピングには最適化されていません。
Q19 PicoPLEX Single Cell WGA Kitはジェノタイピングに使用できるか?
A19  はい。増幅サイズが250 bp以下であれば使用できます。
Q20 マイクロアレイ用にPicoPLEX Single Cell WGA Kitの産物を標識する方法は?
A20  ランダムプライム標識および化学標識です。
Q21 アレイおよびqPCRにはどれくらいの増幅DNA量が必要か?
A21  マイクロアレイにはアレイの説明書で推奨されている量から始め、さらに改善が必要な場合はDNA量を最適化することを推奨します。qPCRには5~200 ngの増幅DNAを使用することを推奨します。
Q22 PicoPLEX Single Cell WGA Kitの増幅産物は直接NGS解析に使用できるか?
A22  いいえ。PicoPLEX Single Cell WGA Kitにはアダプターやバーコードが含まれていません。NGS解析で使用する場合は、増幅産物をライブラリー調製キットと一緒に使用する必要があります。(ThruPLEX DNA-Seq Kit(製品コード R400674ほか)など)
Q23 PicoPLEX Single Cell WGA Kitの産物をNGSで使用しても良いか?
A23  タカラバイオはこのアプリケーションをサポートしていませんが、推奨するDNA断片化サイズは以下の文献をご確認ください。
Reference詳細
NGS analysis of PicoPLEX WGA-amplified single-copy sorted chromosomes to infer the haplotype of individual human chromosomes.
Yang et al. PNAS (2011) 108, 12-17.
methodsセクションに詳細プロトコールあり
NGS analysis of single bacteria cells using PicoPLEX WGA amplification on microfluidic device.
Leung et al. PNAS (2012) 109, 7665-7670.
methodは公開されず結果のみ
Q24 シングルセル解析で使用できるNGSキットは?
A24 PicoPLEX Gold Single Cell DNA-Seq Kit(製品コード R300669ほか)はイルミナ社NGS装置で使用できます。

  PicoPLEX® WGA Kit